さて、皆様は講談社選書メチエをご存じでしょうか~。たぶん、趣味が読書という方なら聞いたことはあるかもしれませんね~。ただ、なかなか売り場に足を向ける機会というのは…少ないかもしれません。
そんな、講談社選書メチエが創刊30周年を迎え、2024年4月には800点を超えたということで、記念小冊子と解説目録を無料で配布しています。ぜひ、お手に取っていただいて、本選びの参考にしていただければと思っております!
こちらの記事では、文庫、新書、選書の違いなどにも触れ、おススメ本を紹介したいと思いまーす!
講談社選書メチエとは…?
2024年に創刊30周年を迎えたというとですので、創刊は1994年ということになります。2月1日だそうです。
さて、講談社選書メチエとは、どのような本なのでしょうか。
こういった人文・学芸書には、最後のページに必ず「刊行に当たって」とか「刊行の辞」とかが書かれています。解説目録には、講談社7代目社長の野間省伸さんの「講談社選書メチエの再出発に際して」という言葉の中には、このように書かれています。
選書メチエは、読者が磨き上げられた経験のもとに紡ぎ出される思索に触れ、生きるための技術と知識を手に入れる機会を提供することを目指している。(講談社選書メチエ解説目録より)
しかし、一方で、
堅く揺るぎない知識も消費されるだけの不確かな情報に埋もれることを余儀なくされ、不確かな情報が人々の憎悪をかき立てる時代が今、訪れている。(講談社選書メチエ解説目録より)
だからこそ、
この不確かな時代、不確かさが憎悪を生み出す時代にあって必要なのは、一人一人が堅く揺るぎない知識を得、生きていくための道標を得ることである。(講談社選書メチエ解説目録より)
そこで、選書メチエから、堅く揺るぎない知識を得よう~ということなんですね。じゃぁ、その堅く揺るぎない知識を得たらどうなるのかというと…
万人にそのような機会が提供されたとき初めて、知識は真に民主化され、憎悪を乗り越える平和への道が拓けると私たちは固く信ずる。(講談社選書メチエ解説目録より)
すごいな~選書メチエ!ぜひ、頑張っていただきたいな~っと思いますね~。
メチエってなに?
さっきから、メチエメチエ言ってますが、メチエってなんでしょう?
7代目社長の野間省伸さんの言葉によると…
フランス語の「メチエ」という言葉は、人が生きていくために必要とする職、経験によって身につけられる技術を意味する。(講談社選書メチエ解説目録より)
ちなみに、6代目社長の野間佐和子さんの「講談社選書メチエ 刊行の辞」によると…
フランス語でメチエは、経験によって身につく技術のことをいいます。道具を駆使しておこなう仕事のことでもあります。また、生活と直接に結びついた専門的な技能をさすこともあります。
講談社選書メチエを読んで、多くの技能を身につけたいと思います~!
選書ってなに? 文庫と新書との違いは?
とはいえですよ。皆さん!
本屋さんに行けば、たくさんの本が売っております。文庫がずらー。新書がずらー。選書がひっそりと…。その中から、人生の限られた時間の中で読む本を選ぶわけですから…そう、なんでもかんでもというわけにはいきませんよね~。そもそも、選書ってなんなんでしょう?
選書とは…。
選書とは、同一の装丁で出版される四六判のシリーズです。一般向きですが、専門性が高く独自性の高い論説が多いようです。
ん~。そんなわけで、選書メチエも昔の本は同一の装丁で並んでましたね~。ただ、最近は楽しい表紙の選書もでてきましたね~。なので、ますますこれぞ選書!という感じがしなくなってきました…。
本の内容についても講談社学術文庫や講談社現代新書などとどう違うんでしょうか。
講談社学術文庫とは…
講談社学術文庫は、「学術をポケットに入れる」ことをモットーに生まれた文庫です。
4代目社長の野間省一さんの「講談社学術文庫の刊行に当たって」という言葉の中に
学術は少年の心を養い、成年の心を満たす。その学術がポケットにはいる形で、万民のものになることは、生涯教育をうたう現代の理想である。
という事なんですね~。つまり、学術を持ち運びやすい文庫サイズにすることで、学術を身近に感じられるようにする、さらに安価で!ということなんですね~。
講談社学術文庫…お値段が高くなったとはいえ1000円くらいですかね~。選書メチエは2000円近いことを考えると…ん~。
講談社現代新書とは…
もう一つ、似たような本に新書がありますが、じゃぁ~講談社現代新書はどうなんでしょうか…というと、こちらは全く違うコンセプトの本です!
こちらも4代目社長の野間省一さんの「講談社現代新書の刊行にあたって」という言葉の中に
教養は万人が身をもって養い創造すべきものであって、一部の専門家の占有物として、ただ一方的に人々の手元に配布され伝達されうるものではありません。
学術ではなくて、教養がコンセプトの本だったんです! さらに、
不幸にして我が国の現状では、教養の重要な養いとなるべき書物は、ほとんど講壇からの天下りや単なる解説に終始し、知識技術を真剣に希求する青少年・学生・一般民衆の根本的な疑問や興味は、けっして十分には答えられ、解きほぐされ、手引きされることがありません。
そんなわけなので、講談社現代新書は、
講壇からの天下りでもなく、単なる解説書でもない、もっぱら万人の魂に生ずる初発的、根本的な問題をとらえ、掘り起こし、手引きし、しかも最新の知識への展望を万人に確立させる書物を、新しく世の中に送り出したいと念願しています。
ということなんですね~。つまり、もっと広い分野、私たちが普段「なんだろね~」と思っているようなことを現代新書で扱うということですね~。
結局どうなってるわけ?
というわけで、講談社選書メチエ、講談社学術文庫、講談社現代新書の違いを確認してきたわけですが…結論からいいますと、メチエと学術文庫の違いは…よくわからん!
というか、差が小さくなってきているということだと思います。ただ、昔の本でくらべると、より一般向けが学術文庫で、もっと専門的にと思ったら選書という感じだと思っています。
というわけで、気になるタイトルがあればなんでも読んでみたらええんとちゃいますか~という感じです!
ちなみに、なんかホームページも一緒みたいですよ…。
学術文庫&選書メチエ 公式HPはコチラ! ⇒ 気になる本はたくさんあるね~。
創刊30周年記念小冊子はコチラ!
ながながと…文字が多かったので、ここからはビジュアル重視でいきましょう~。
先ほど、引用させていただいた解説目録はコチラです。表紙の裏にお言葉が書いてあります。
全802点のリスト、在庫切れだったり電子で読めたりする記号もついています。そして、なんと、講談社学術文庫で読めますよという本もあるそうです…どういうこっちゃ!
こちらは、選書メチエに執筆した150人の方に、1994年からの30年間のおすすめ本はなんですか~というアンケートの結果です。最大5冊まで回答していいというこですが、なんとかぶった本は32冊ということで…世界樹のように多様で奥深い感じがでていますね~。
しかも、選んだ5冊は、どこの出版社の本でもよいとのことなので、この小冊子を読むだけで、なんというか…知識の本流というかがわかるような感じがしますね~。一読の価値あり~!
また、池澤夏樹さんとか、加藤陽子さん、養老孟司さんなど10人の方が、おススメの選書メチエを紹介してくれています!
そして、ワタクシのおススメ本はコレだ!
①構造の奥 中沢新一 1800円(税別) 227ページ
表紙もいいですが…構造主義にいってみましょうか~。
ちなみに、中沢さんは選書メチエにけっこう書いていらっしゃるようですね~。le liverも含めると10冊くらいあるんじゃないでしょうか…。
そんな中沢さんも、ベストセレクションで5冊を紹介しています。その中で、山口昌男さんの『「敗者」の精神史』という本は、かぶった32冊のうちの1冊ですね~。たくさんの方が選んでいます。あと気になったのが、國分功一郎さんの「中動態の世界」です。気になる…!
②地中海世界の歴史(全8巻) 本村凌二
まだ買っていなくて…買おうかどうか迷っている本です!全8巻ですが、2024年9月6日現在で3巻までしかでてなくて…いや~悩みますね…。というのも、今、サピエンス全史を読んでいて…やはり、この時代…気になるんですよね~。
ちなみに…本村さんのベストセレクションの中に、サピエンス全史が入ってました~!
売り場情報~!
ジュンク堂池袋本店の4階では、エスカレーターを上がったところで講談社選書メチエの特設売り場が開設されています。基本の棚は…3階の一番奥…文庫や新書を超えた先にありますので、そちらも併せてご確認ください~。
まとめ
さて、というわけで、講談社選書メチエ創刊30周年ということで、色々と紹介させていただきました。基本的にはね。気になる本を読めばいいというわけです。
難しかったら、好きなところだけよんだり、難し漢字はすっ飛ばして読んだり、途中でやめちゃったりしてもいいと思います。
ワタクシも、中学生の時に初めて買った講談社現代新書は途中で読むのをやめてしまって、大人になってから読んだ本です。持っていれば、いつか読めるので先に買って積読…ゲフン!ゲフン!
最近は電子でも読めるので…無理に今買わなくてもよいのかもしれませんね~。
…最近は…嫁が、ブログを読んで…買った本をチェックしているやもしれませんので…積読の危機か!
参考にした本
我が家にあった、選書メチエ!なんと400号でした…なんか、縁起がいいかな~。
野間佐和子さんの「講談社選書メチエ刊行の辞」を参照させていただいております。
野間省一さんの「講談社学術文庫の刊行に当たって」を参照させていただきました~。
野間省一さんの、「講談社現代新書の刊行にあたって」を参照させていただきました~。
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