さて、皆さん。ついに岩波新書を紹介する時がきましたね~。
しかも、新赤版が2000点を突破したといういうんですから…すごいですよね~。
ただ…確かに、岩波新書といえば、よく聞きますが…皆さん、読みますか?
実際は…あまり手に取ることが少ないかもしれませんね~。ちょっと…難しそうな感じがしますよね~。
そこで、今回は…プレゼントに応募しつつ…岩波新書の魅力をたっぷりお届けしちゃいまーす。
岩波新書って?
岩波といえば、岩波文庫が有名ですけれども、岩波文庫は古典的な価値をもつ本を発行しているのに対し、岩波新書はその時々に話題にしたい内容の本を発行しています。
つまり、岩波文庫は古典として読み継がれていく価値のある本というのに対して、岩波新書は、今、そして未来を見るための本と言えるのではないでしょうか。新書のタイトルをみると、今何が問題で、どんな考えが広がっていて、過去にはどんなことがあって、そして、これからどうすればいいのかを問うという知識の最前線でもあるわけで、そこから未来を見通していくことができるのではないか…と思ったりもします。
岩波新書が一番最初の新書?
本を新書という形式で発行したのは、岩波新書が初めてだそうです。なんと、1938年11月20日創刊ということで…昭和13年だそうです!
すごいですよね~。創刊当時は現在と似たような赤色の本だったそうで、通常こちらを赤版と呼んでいます。
色も色々あるの?
岩波文庫のように、ジャンルで分かれてるわけではないのですが、創刊当時の赤版は101冊発行されたそうです。
その後、装いをあらたに青版というのが発行され、その後、黄色版になり、1988年の岩波新書創刊50周年のときに、新赤版というのになったそうです。
いや~、すごいですよね~。ワタクシは、気づいた時には新赤版でしたし、黄色とか青というのは古本でしか見たことがありません。青というよりは…緑だったような気がするんですけど…我が家にも何冊かあったような気がしますけど…いずこへ~。
新赤版が2000点!
1988年から新赤版になったわけですが、その新赤版だけで2024年の1月に2000点を達成したということなんですね~。すごいですよね~。
ちなみに、全部合わせるとどれくらいになるかというと…赤版が101冊、青版が1000冊、黄色が396冊、新赤版で2000冊なので…3497点ってことですかね~。すごいです!!
新書戦国時代!
岩波新書もそうですが、新書といえば講談社現代新書と中公新書も忘れてはなりませんよね~。新書御三家と呼ばれていたとかなんとか…。
ただ、読書人口が減っているなかで、多くの出版社が新書に参入していますよね~。本の内容も写真が多かったり、カラーだったりと、より分かりやすく読みやすくなっています。忙しい現代人にとって、今知っておきたいことや考えておきたいことをさらりと読める新書はとても便利ですので、ワタクシも重宝しているのですが…。
逆にさらりと読めすぎて…深く考えずに知ったような気になってしまうという問題点もあるとおもうんですよね~。新書を読んで、面白そうなことを見つけて…深堀したいと思っているのですが…なかなか難しいんですよね~。
時代の輪郭 2000点突破目前
じつは、2023年には2000点突破目前の企画で、「時代の輪郭30人の30冊」ということで、新赤版のロングセラーの30冊が特製の帯つきで販売していたんですよね~。
どんな30人なのか…そして、どんな30冊なのか…というのは、公式サイトがありますので、そちらを見ていただけるといいかな~っと思っております。
岩波新書「時代の輪郭30人の30冊」公式HPはコチラ ⇒ これから買うぞ~。
ここから岩波新書がさらに変わった!
時代の輪郭30人の30冊にも入っている、柄谷行人さんの「世界共和国へ」という本の番号が1001でして、この柄谷さんの本からカバーデザインが変更になっています。上の方に写真がでている「中世の奇蹟と幻想」はタイトルが横書きですが、柄谷さんのは縦書きになっています。
さらに、なんといってもカバーがマッドになったことが大きいです。前は、ツヤツヤしていたのが…肌触りもよくスベスベしていますね~。かっこいいです。女性の方が、フーッと吹いているイラストも付くようになりましたね~。
そして…2024年1月に2000点突破~!
ということで、岩波新書のプレゼント企画がスタートしたということなんです~。その詳細は…。
購入者全員プレゼント~!
2024年1月から3月に刊行された岩波新書3冊を購入し、帯についている応募券をおくると…新書風読書ノートが必ずもらえるそうです!
さらに抽選で…!
さらに抽選で50名様に、なんと!〈新書から始まる。マグカップ〉も当たるそうです!
これは…欲しいですね~。何も文字が書かれてなくても…もう、わかりますもんね。これはいいですね~。ただ、デザイン等はまだ確定というわけではないそうなので、変わる可能性もあるということですが…青とか黄色とか…揃えたくなっちゃいますよね~。
締め切りを要チェック!
締め切りは、2024年4月末日(当日消印有効)だそうです。4月30日は…火曜日ですので、当日に郵便局に飛び込んでも大丈夫ということですね~。
ラインナップはどんな感じなの?
さて、最後に気になるのは1月から3月の新刊ということですから、どんな本が刊行されるのかというのが気になるところですよね~。
ただ、公式HPを見ても…まだ1月に刊行された6冊と、2月に刊行予定の3冊の本しか情報がないんですよね~。2月の本は20日に発売ですので、2月下旬くらいになれば3月の予定もわかるでしょうし…でそろってから3冊を決めたいな~っと思っております。
わ、忘れないようにしないとね~。というわけで、岩波新書の2000点突破特設サイトをブックマークしておきましょう~。
岩波新書 新赤版2000点突破記念プレゼント特設サイトはコチラ ⇒ 悩み多き日々が続くよ~。
また、岩波新書の特設サイトでは、岩波新書の歴史やマークや扉絵などの秘密も書いてあるので、普段何気なくみているマークの意味を確認してみてはいかがでしょうか~。
売場情報~ 2024年2月10日更新!
とはいっても、まだ本が出そろってないこともあり、あまり大々的な感じではないですね~。それよりも…今も、青版とか黄色版って売っているんですね~。知らなかった~。
という風に上では書きましたが…ぢつは…売り場の写真を撮ってました~。ただ…現在は、このような感じにはなってません。これは、直木賞とか芥川賞とかの発表前だったような気がしますね~。
棚の下の方にある目録はいただきました~。
まとめ
というわけで、岩波新書のプレゼント企画について紹介させていただきました~。
まだ、どの本を買おうか悩みつつ…立ち読みしつつ…選んでみたいと思いまーす!
今年の岩波新書はこれだ~! 2024年4月27日更新!
さて、記事を書いて…忙しくなってしまって、購入した岩波新書を紹介していませんでした。
無事に3冊は買ったんですが、まだ、応募してません~。
魔女狩りのヨーロッパ史
①魔女狩りのヨーロッパ史 池上俊一 1000円(税別) 233ページ
一冊目に選んだのが、魔女狩のヨーロッパ史。若いころオカルト的な要素がある本が好きだったこともあり、今回読んでみましたが、当時に比べて、自分の中の全体的な考え方というのが変わってきているんだな~という事を認識しました。読んでいる最中も「なぜ、このようなことが起こってしまったのか」という事ばかり考えていました。事実として起きたことなので全然オカルト的な要素はないし、歴史上に数ある大量虐殺との違いはどうなのか…という疑問ばかりが生じてきました。
本の内容としては、魔女狩りとはどのようなものかというところから、実際にどのように告発され裁判にかけられたのか、どのようにして魔女が成立していったかなどを多くの記録や研究の成果を踏まえ、現代の魔女狩りの入門書として、丁寧に説明されています。
ただ、この魔女狩りを研究する意味や意義については、よくわからなかったです。この魔女狩りがヨーロッパの歴史の闇の部分に含まれるとして、この魔女狩りだけを取り出して研究する意味という部分ですね。書いてあったかもしれませんが…。
この魔女狩りとしての要素が、全人類にあてはまるのだとすれば、心理学や社会学からもアプローチできるし、宗教的な要素ならば宗教の教義にも問題があるのかもしれませんし、地域や国家の問題からも考えられるかもしれません。たとえば、告発の理由が「国家が信ずる神を信じず、若者を堕落させる」という理由だとしたら、ソクラテス裁判も一種の魔女狩りと言えるかもしれません。中世のヨーロッパで起きた魔女狩りだけを研究する意味というのが知りたいな~とも思いました。
そして、一方で本書の中でも触れていますが、当時、錬金術を研究していた人たちや哲学者達というのは、魔女として告発される危険はなかったのか、魔女裁判をどのように認識していたのかというのも気になるところですね~。もっと、すごい闇がでてきちゃうかもしれませんね~。
ちなみに、あとがきで知りましたが、ワタクシは池上さんの本を持ってました~。
あと、今回はさんであった栞はコチラ。本の豆知識ですって~。
ヨーロッパ史
②ヨーロッパ史 拡大と統合の力学 大月康弘 1000円(税別) 230ページ
やはり、ヨーロッパの歴史を知らなければ、魔女狩りだなんだと言えないでしょうから、まずは、ヨーロッパの歴史を読んでみたいと思います。
財政と民主主義
③財政と民主主義 人間が信頼し合える社会へ 神野直彦 1000円(税別) 250ページ
民主主義はヨーロッパで生まれたと思っていますが、そんなヨーロッパでも悲しい歴史がたくさんあります。人々がしあわせに暮らすためには、国の制度や宗教だけではダメなのではないかと、お金の問題が歴史を動かすことがあるとすれば、魔女狩りもお金の問題だったかもしれません!
届いた~。 2024年5月25日更新!
なんと、早くも読書ノートが届きました~。残念ながら…マグカップは届きませんでしたね~。
面白いのは、最後のページに、著者紹介ならぬ岩波新書紹介が載っていることですね~。
真面目に楽しく遊んでる感じがとてもいいですね~。
というわけで、無事に届きました~。あとは…ひたすら読むだけなんだけど…。
読んだ~! 2024年7月30日更新!
というわけで、読んだのですが…読んだ本というのは、2000点突破目前、新赤版の30人の30冊から、柄谷行人さんの「世界共和国へ」という本を読みました~。
応募券がついていた本とは違うんですが、2000点突破目前のイベントから続いてるということで、こちらに感想を書いておきます…残りの3冊も、いずれ読むとおもうのですが…。
①世界共和国へ ー資本=ネーション=国家を超えて 柄谷行人 860円(税別) 228ページ
久しぶりの柄谷行人さんということで、心して読みました~。しかし、面白かった~とは言えないような状態ですので、もし、これから読もうかどうか検討しているようでしたら、ネタバレになってしまいますが、この感想を参考にしていただければいいかなと思います。この本の趣旨は立ち読みで十分かと思います。
まず、なぜこの本を読もうと思ったか…というと、やっぱりタイトルの影響が大きいと思います。「世界共和国」というのは、2024年7月現在、地球上のどこにも存在しない国だと思います…たぶん。そこに「へ」とついているので、タイトルから推察するに「世界共和国へ行きましょう!」という意味ですよね。「行った方がいいよ!」」とかね。目指そうとかそういう意味かと思います。また、「資本=ネーション=国家を超えて」というサブタイトルもついていることから…いや、わかりませんが、想像するに、なんか、すごい国家を目指そうという提案があるのかな、夢のような国について、哲学者の柄谷さんが熱く語るのかな~っと大いに期待しちゃうと思うんですよね~。
ちょっと、ワタクシも素直に期待を大きくしちゃったかもしれませんがね~。
しかし!この本の中で語られているのは、90%くらいが歴史の話です。マルクスが、カントがヘーゲルがといったことが延々と続きます。さらに、第2章では、「原始社会において国家はどのように発生したのかといえば、われわれは理論的な「抽象力」にもとづくほかありません」(P42)、「商品交換が生成する過程を歴史的に実証的に示すことはできません。我々に可能なのは、それを理論的に考えてみることだけです。(P70)、「貨幣の起源、経済人類学や経済史の知見によって、これを説明することはできません。それを考えるにも「抽象力」が必要です。(P72)という風に、もう、現在ではわかりえないことを、抽象力で考える必要ある~?というのが疑問です。
でも、まぁ、柄谷さんが「世界共和国」を提示するには必要なプロセスなんだろうと思えば、もちろん喜んで読んでいきますが…ほぼ、そういった話です。
読んでいる最中に不安になってきちゃって…、ページ数が少なくなってくるし…第3章も同じことの繰り返しだし…ど、ど、ど、どうなるのかしらと…。それでも、ワタクシは期待しておりました。だって、第4章は21ページしかないんです。世界共和国…簡単じゃないよね。それこそ、空論になりがちだからどうなるんだろうと思っていたら、3章の終わりに「おぉ!」という片鱗が見えました~!
しかし、第4章に入っても歴史の授業は続き…結局、最後の2ページで3つの人類の課題と超えていく先の様子を提示しておしまい…という本なのです。ですので、もし、これからこの本を読んでみようと思われる方は、P224~P225を立ち読みで読めば、柄谷さんの目指す「世界共和国」とはどんなものかというのがわかります。それだけで、十分です。5分で読めます。そして、その共和国に行くためにはどうすればいいのか、どういった問題があるのか、資本は、ネーションは、国家はどうなるのか…といったことは一切書いてありません。
いやいや~書いてあったかもしれません。ただ、そうなるとワタクシのような一般読者にはわからないな~っという事になります。柄谷さんはあとがきでも、この本は、「トランスクリティーク」をわかりやすく一般の読者向けにコンパクトにまとめたと言っていたのです。
まぁ、本文の中で、「揚棄」という言葉がでてくるんですが、これ…一般的な言葉かな~っとおもいますけどね。柄谷さんとワタクシ達の一般人の認識が違いすぎるのかもしれません…。
ここからはネタバレもありますので、これから読もうと思った方はココまで。そして、いやいや、ネタばれてもいいよという方は、続きをどうぞ。
さて、柄谷さんが示す世界共和国とはどんなものなのでしょうか。柄谷さんは言います。「各国で軍事的主権を徐々に国際連合に譲渡するように働きかけ、それによって国際連合を強化・再編成するということです」(P225)
結局、軍事力なのか…というのが正直なところですが、実際に軍事力は有効ですから、まぁ、間違いではないのかもしれません。ただ、現在で考えると、国連軍がイスラエルとパレスチナの戦争を止められるのかしら、ロシアとウクライナの戦争を止められるのかしらというのは疑問ですよね。
戦中・戦後生まれの柄谷さんが、安易に軍事力をだしてきたとは思えないので、なぜ、最終的に軍事力に至ったのかという部分も説明して欲しかったですね~。拒否権を発動されてしまえば何もできない国連に、軍事力は有効なのかとか現在の状況でも色々な問題がありますよね~。
ちなみに、柄谷さんと似たような事を言っていた人を知っています。それは、「沈黙の艦隊」の海江田さんです。2023年に映画になりましたので、見た方も多いかもしれませんね~。ですので、ワタクシとしては、柄谷さんの本より、「沈黙の艦隊」をおすすめします。こちらの方が、色々と考えさせられますよ~。
沈黙の艦隊がモーニングで連載していたのが、1988年から1996年。柄谷さんが、この本の基本となるトランスクリティークを群像に連載したのが、1998年から1999年。なるほど…連載していたから、似たような話を何回もしていたのですね~。もうちょっと、コンパクトにまとめてほしかったな~。ですので、柄谷さんも沈黙の艦隊を読んでいたかもしれませんね~。
というわけで、この本ではマルクスとかカントとかは登場させなくても、実際に各国の軍事力を国連に移譲する場合の、政治の問題、経済の問題、民族の問題、宗教の問題などの視点から、こういったことに気を付けなければならないとか、こうなってはダメだというような夢物語的な問題提起でもよかったので、それを提示してくれることが、これからの世代の一般読者にたいする昭和生まれの仕事なのではないか、これからの哲学者の役目なのではないかと思うんですよね~。
う~ん。非常に残念でしたね~。
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