みなさんは、「人間拡張」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。拡張と聞いただけで、なんだか仰々しいような…怖いような感じもしますが、イメージ的には、眼鏡だったり入れ歯だったり杖だったり、人間の弱くなった部分を補ったりすることも人間拡張の一つですよね~。
ただ、それだけにはとどまらず、指や腕を増やしたりVRだったりと小説や映画の世界のような現実がそこまで来ている可能性もあります。テクノロジーが生み出す未来にドキドキする反面、自分が自分でなくなってしまような不安も感じますよね。
そこで、集英社インターナショナル親書の「ネオ・サピエンス誕生」を読んでみました。
本の紹介
この本は、集英社から出版されている集英社インターナショナル新書です。価格は900円(税別)です。本文は269ページまであります。
表紙を見ていただいてもわかる通り、たくさんの執筆者がいますね~、15人です。ただ、この本、集英社が2021年に発行した雑誌「kotoba」の特集をまとめたものでした。そのため、名前の書いてある15人の方が執筆したというよりは、インタビュー形式で書いてあるのが多いです。そのため、非常に読みやすく、内容が伝わってきました。全然難しくないので、おススメです。
とくに我々世代は、富野さんのインタビューが気になりますよね~。
富野さんのインタビューについて…
富野さんのインタビュー記事は、新書の155ページから173ページまでと20ページ程度なんですが、面白いんですよね~。富野さんの話は非常に面白くて、深く考えさせられます。アニメでみると、どうしても商業的な部分も影響してくるので、ロボットの戦いの部分がメインになってしまったりしますが、小説で読むとガンダムなんて違う作品じゃないの?と思ってしまうほどです。富野さんの小説もいずれ再読して紹介したいなぁ~っと思っています。
ガンダムなどのロボットもいいですが、リーンの翼とかね~面白いですよ。
本の内容について
さて、この本は…雑誌もそうだったのかもしれませんが…二つのパートに分かれていて、最初は「人間拡張と生きる」というテーマ、後半は、「人間拡張を考える」というテーマに分かれています。どちらのパートも興味深く読ませていただきました。
細かい内容については、他のサイトに譲るとして、ここでは色々とまとめて考えてみたいと思います。
集英社インターナショナル親書のホームページはコチラ → https://www.shueisha-int.co.jp/
kotobaのホームページはコチラ → https://kotoba.shueisha.co.jp/
色々と思った事
色々な技術が発展して、昔のSF映画や小説の世界がだんだん現実味を帯びてきました。人間を拡張するという場合、色々な意味合いがあってごちゃまぜになってしまいますが、大きくわけると二種類あると思います。
ひとつは、人間の身体を拡張するもの。ここに脳が含まれるかどうかというのが難しいところですね。脳が含まれてもいいかなと思っています。ただ、現在でも脳のやっていることが完全にわかっているわけではないので、単純に、見て判断、聞いて判断とか、データを記憶しておくという程度ことだけだったら脳は機械に変更する事ができるでしょう。ただ、そういった部分だけではなく、勘とか空気を読むとか、まだまだ脳には不思議な部分がたくさんあるので、これからの研究次第では、脳とは何かという定義が明確にできるようになるかもしれません。今後に期待したいところだと思います。
もうひとつは、意識というか精神の拡張というか、脳と密接につながってはいますが…ちょっと曖昧で明確にできないかもしれないし、説明…できるのか…?
意識の拡張とは…
意識の拡張とはどういうことをいうんでしょうか…。ワタシは、なんとなく距離の問題と認識かなと思っています。
現代では、地球上で起きた事はある程度、すぐにニュースなどで知ることができます。世界がせまくなりました。ただ、自分の生活圏での話と遠い国での話では、ニュースの重みが全然違ってきますよね。隣近所の火事の話と隣の国の火事の話では、出火元とか原因とか気になる程度が違ってきますよね。また、遠くの地域でも自分の生まれ育った故郷とか、親兄弟が住んでいる場所とかだと意識しますよね。何かあったときに、大丈夫かしら…なんて。
つまり、自分の意識できる範囲というのが、なんとなくおぼろげに見えてくるような気がします。これを、テクノロジーによって広げる、意識できる範囲を広げる事ができれば、遠くて知らない国で起きたことでも、我がコトのように感じることができるかもしれません。意識を広げることで世界を狭くするということなのだと思います。
どうすればいいのか…というのは…ニュータイプにでもなるしかないかもしれません…。
究極人間の身体を拡張していくと…
ちょっと、難しくなってきたので、話を変えてみましょう。
割と考えるのが楽に思えるテクノロジーによって身体を拡張していくという部分を考えてみましょう。まぁ、最終的には、身体はすべてロボットのようにメカニカルになりますよね。
自分で、自分の身体のどの部分を機械に変えても良いと思うか…というと、「見た目が変わってなければ全部メカでも構わない」と思うかもしれませんし、「意識があれば見た目は車でも構わない」という人もいるかもしれませんね。見た目はただ、自分自身を見る目だったり、見たものを認識する脳についてはどうなのか…というと…いつの間にか変えられてしまっていたらわからないかもしれませんね。
基本的には、自分の意識こそが自分であるために重要なモノだと考えると、脳がコンピューターになってしまったら死んだも同然だと考える人もいるかもしれません。ただ、その時にはすでに脳がコンピューターになっているかもしれませんから、自分は、メカなのか人間なのかノイローゼになるロボットが続出するかもしれません。
現在のテクノロジーでは、まだ、脳の全容解明というわけにはいかないようです。簡単にいじれる部分じゃないですし、簡単に電極を刺したりできませんし、研究も非常に難しいですよね。
今のところ、帽子のようなものを頭に被せて脳から信号を読み取ったり、脳のデータをコンピューターに移行して電脳の世界で生き続けられるような研究もされているようです。
電脳の世界で生きる
現在でも、アバターなどを作ってVRの世界や電脳の世界で生活できるような感じになっていますね。本の中では、攻殻機動隊がでてきます。
どのような研究がどこまで進んでいるのかはわかりませんが、電脳世界のアバターは、自分が寝ている時は動かないわけですよね。将来的には、AIが自分の分身として活動し作業はしてくれるかもしれませんが、何かを考えてくれたり、判断をすることはないはずです。アバターがAIで何かを考えてくれた場合は、本体と意思の疎通が必要になってきますから…「昨晩のレポートです」なんて渡されても、読むのが面倒だし、一瞬で記憶や意識を同期できるようになれば、面白いかもしれませんけどね…。
たとえば、寝ている間にアバターをアメリカに送ったとしても、こちらの本体が寝てる。もしくは、こっちが起きていても、先方が寝てる場合は意味がないのだから、あくまで分身という感じはかわりません。拡張といっても、身体が基本の拡張なので限界がありそうです。
逆に、バラバラに動いてしまうと、別人格になってしまったり、人間に反発するアバターもでてくるかもしれません。
本体が乗っ取られるというようなことになっちゃうかもしれません…。
ガンダムの世界
やはり、人間自身が拡張するしかないのかもしれません。この人間の拡張というのを考えるきっかけになったのは、やはり、ガンダムのニュータイプですよね~。人の革新ってやつです。たしかに、アムロとかララァのようには簡単にはなれないと思いますが…。まだ、我々の知らない何かあるな…と思っています。
誰もが知ってるガンダムの世界で考えてみましょう~。
光の速さ
ポイントは光の速さだと思っています。光は、1秒間に30万キロ進むそうです。ですので、地球上で通信する場合は、光の速さであっという間に通信できるかもしれません。
ただ、月の裏側のグラナダやサイド3からだと、光の速さで1秒ちょっとのラグがでます。
ギレンの演説やデラーズフリートの演説なども、実際には声と映像がずれていたのかもしれません。アナログとデジタルの問題もありますよね~。
太陽までが8分、木星にいるパプテマス・シロッコまでが30分。もはや会話が成立しない距離ですよね。当然、意思の疎通がうまくいくわけがありません。
光の速さなので、電脳の世界だろうがなんだろうがおなじですよね。そう考えていくと、「電脳の世界とは地球を中心とした光の速さで嫌にならない距離の世界」ということになります。データセンターがフォン・ブラウンにあると、1秒のラグがでます。これはちょっと、いただけないですよね~。
となると、月や火星の方まで人間の生活圏を広げた場合、火星と通信なんてできませんよ。当然会話が成立せず、「スペースノイドは独立します」みたいな話になるでしょうね~。人間の脳がコンピューターになったとしても同様ですよね。
そこで戦争にならないために、ニュータイプが必要になるのですが…そう簡単には進化しないでしょうから、テクノロジーとしては、光よりも早い粒子を見つけなければなりません。いや、無いだろ~っとも思いますが…あるような気もします。見えないだけ、光よりも早いんだから、光があたらないので見えない。
そう考えると…まだまだ生身の人間の方が、何か楽しいことがありそうだなぁ~という感じになりますね。
とりあえず。
まだまだ、議論は尽きず考えておかなくてはならないことは多いですね。
でも、とりあえず本日はこの辺までにしておきましょう。頭がこんがらかってきちゃった…。
また、色々な本を読んだときに新しい考えが浮かぶかもしれません。
こういった事を考えるのは、難しいけど楽しいですよね~。
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