さて、今年もやってまいりました、夏のブックフェア。各出版社が選りすぐりの文庫を集めて、一気に展開するという…まさに包囲陣を敷かれるかのごとく…そもそも逃げ場なんてありゃしないのです。
ひたすら読み続け…中央突破作戦を実施するしかないわけですが…重厚な布陣は、次から次へと面白そうな文庫を散開させ、夏が終わるころには…積読の山となること必然ではありますが…逃げるわけにはいかないのです。さぁ、今年も本屋さんに行ってみましょう~。
というわけで、今回は、新潮文庫の新潮文庫の100冊2022を、しっかり紹介いたしまーす。
新潮文庫の100冊とは…?
新潮文庫の100冊とは、新潮社が1976年から夏に行っている新潮文庫のキャンペーンです。なんと…46年も続いている夏の風物詩なんですね~。しかも、1976年以前にも、名前が違った形で夏のキャンペーンをやっていたそうなので、実際にどのくらい続いているのかはわかりませんでした。
ただ、新潮文庫の100冊という形では、46年間続いているんですね~。
ちなみに、最近は「キュンタ」という名前のロボットが、新潮文庫のキャラクターですが、少し前は「Yonda?」くんでしたよね~。パンダの…覚えてる方も多いと思いますが…いつの間にか変わっていたんですよね~。
といっても…2015年にはキュンタくんがいますので…キュンタくんに変わって7年も経つのか…と思うと…あっという間ですね~。
新潮文庫の100冊2022は…?
新潮文庫の100冊といえば、キュンタくん。キュンタくんはロボットなので、本を読んだときにハラハラしたり、感動したり、ドキドキしたりするときの心の動きがわからないないらしく…2016年ころからは、「この感情は何だろう。」というのが、キャッチコピーのような感じで書いてありました。
今年も、地球に乗ったキュンタくんが、「この感情はなんだろう。」と言っているのですが…
小冊子では…違った言葉が表記されているんです!
小冊子を見てみよう!
今年は、「想像力の旅にでよう。」なんですよね~。なぜ、変わったのか。今年だけの変化なのか…今年からコチラにかわるのか…どうなんでしょうね~。来年がすごく楽しみです。
そんなキュンタくんですが、ある日、店番をすることに…一人での店番に不安がるキュンタくんですが、おじいさんは出かけてしまいま。キュンタくんの冒険が始まるようです。
このキュンタくんの物語は、新潮文庫の100冊公式サイトでも見ることができますが…小冊子にしかない特別のページもあるので、ぜひ、本屋さんに行ってこの小冊子をゲットしてください~。
ラインナップを紹介!
新潮文庫の100冊って言うんだから、100冊あるんだよね~っと思って数えましたが、97冊のようです…。ん~、「ほんのきろく」を入れても98冊…。ん~、数え方が間違っているのでしょうか。
と思ったら、「海辺のカフカ」と「罪と罰」と「燃えよ剣」が上下巻ですので、100冊ということのようです!
さて、それはともかく全97冊が5つのジャンルにラインナップされています。どれを読むか非常に悩むところですが、新潮文庫の小冊子をみると、新刊!とかおススメ!というような感じで、何冊か大きめに紹介したりということがないんですね~。すべての本が、同じように紹介されています。そうなると…ちょっと選ぶのが難しい感じがしますよね~。
そこで、ひとつこの小冊子にはポイントがあるんです。本の紹介のところに、本文の一節が書いてあるんですよね~。この一文は、きっとこの本を表現できる、すごい一文ってことだと思うので、その一文を読んで、お!っと思ったら、当たりかもしれませんね~。
そこで今回は、ワタクシの独断と偏見で今までに読んだことある本もない本もひっくるめて…おススメや気になっている本を一文込みでご紹介しましょう~。
恋する本
恋する本ということで、20冊がラインナップされています。あまり、読むことが少ないジャンルではあるんですが、気になっていることは確かなのですが、なかなか手が伸びない感じです。
①月と六ペンス モーム 訳:金原瑞人 693円
「その絵を描いたのは、知ってはならない秘密を知った罪深い男だ。」 気になる!
②錦繡(きんしゅう) 宮本輝 605円
「私はあなたにまさにひと目惚れでした。」
③太陽の塔 森見登美彦
「彼女はあろうことか、この私を袖にしたのである。」 読みました。苦笑かな…。
シビレル本
シビレル本ということで、19冊がラインナップされています。気になる本が多いんですが…
①鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。 川上和人 649円
「駄菓子も外来種も見かけで判断してはいけない。」 ホント、学者もね。読みました。爆笑!
②砂の女 阿部公房 693円
「欠けて困るものなど、何一つありはしない。」 いや、面白かった。怖いですよ。
③甦る殺人者 知念実希人 693円
「ありとあらゆる可能性を検証して、最後に残ったものが真実だ。」かなり気になってます。
考える本
考える本ということで、20冊がラインナップされています。このジャンルから読んでる本が多いので、おススメも気になる本も多いのですが…。
①センス・オブ・ワンダー レイチェル・カーソン 訳:上遠恵子 649円
「はるか遠くの水平線が、宇宙をふちどっています。」
②それでも、日本人は『戦争』を選んだ 加藤陽子 880円
「講義の間だけ戦争を生きてもらいました。」 もう、日本人なら絶対読むべき。深く考える。
③フェルマーの最終定理 サイモン・シン 訳:青木薫 935円
「言葉にしようのない、美しい瞬間でした。」 こんなに面白いなんてビックリしますよ。最終定理ってなんなのか…何が問題なのかもわかりやくす解説されています。日本人も登場してビックリ!
④ある奴隷少女に起こった出来事 ハリエット・アン・ジェイコブズ 訳:堀越ゆき 693円
「読者よ、わたしの物語は自由でおわる。」 今年はこれかなぁ~。
ヤバイ本
ヤバイ本ということで、19冊ラインナップされていますが、意外に…読んでないような…読んでるような…。微妙な感じなんですよね~。
①重力ピエロ 伊坂幸太郎 825円
「おまえは俺に似て、嘘が下手だ。」 伊坂さんの作品で一番好きかなぁ~。
②向日葵の咲かない夏 道尾秀介 825円
「この世界は、どこかおかしい。」 道尾さんの作品なら絶対買いなんだけどなぁ~。
泣ける本
泣ける本ということで、19冊ラインナップされています。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」以外は、読んだことがある本が一冊もなかった…。
①博士の愛した数式 小川洋子 649円
「僕の記憶は80分しかもたない。」 映画にもなりましたが、未読なんですよね~。
②善人長屋 西條奈加 737円
「よりによって悪党の住まいに善人長屋よ。」 絶対面白いと思うなぁ~。
③塩狩峠 三浦綾子 825円
「誠の心、勇気、努力。」 毎年ラインナップされていて気になってはいるが…。
その他の選び方…限定プレミアムカバー
さて、新潮文庫も毎年、限定プレミアムカバーがありますよね~。派手さはありませんが、シンプルでそろえると色がきれいなので本棚が華やかになりますね。今年も8作品8色です。
白:こころ 夏目漱石 407円
「あたなはそのたった一人になれますか。」 …よまにゃも、こころじゃなかった?
黄緑:悲しみよこんにちわ サガン 訳:河野万里子 572円
「あの夏、わたしは十七歳で、文句なく幸せだった。」
赤:思い出のトランプ 向田邦子 605円
「一度だけ、スタンドを消してから手を伸ばしてきたことがあったが、すぐに手は引っ込んだ。」
茶:シャーロック・ホームズの冒険 コナン・ドイル 訳:延原謙 605円
「心で見ないからだ。」
黄:檸檬 梶井基次郎 473円
「心という奴は何という不可思議な奴だろう。」
黒:人間失格 太宰治 308円
「恥の多い生涯を送って来ました。」
橙:妖精配給会社 星新一 693円
「飼っていただいて、ありがとうございます。」
藍:銀河鉄道の夜 宮沢賢治 473円
「どこまでもどこまでも一緒に行こう。」
購入者プレゼントは?
新潮文庫の100冊の帯がついている本を1冊買うごとに、プレゼントがもらえるのですが…このイベントには名前がついているんですね~。#キュンタ大作戦!2022です。
なぜ、このような作戦名がついてるかというと…な、な、な、なんと!
もしかすると、純金キュンタしおりが当たるかもしれないんです!!
というわけで、早速詳細を見てみましょう~。
ステンドグラスしおり
まず、本を1冊購入すると1枚もらえるのが、ステンドグラスしおりです。
しおりは、全部で4種類、どれもきれいで絶対コンプリートですよね~。
人気のやつは無くなってしまう可能性もありますので、早めに本屋さんに行きましょう~。
純金キュンタしおり
見てください…このキュンタくんの輝きを…。
抽選で100名様に当たるようです。応募方法は、TwitterかInstagramで新潮文庫をフォローして、購入した本とステンドグラスしおりを写真に撮って、「#キュンタ」でアップするんだそうです…。
…す、すいません。写真を撮るところまではわかりましたが、「#キュンタ」でアップって…なんですかね…?
実は…ワタクシ、キュンタ大作戦に参加して…クリップしおりとか…うちわしおりとか集めてきましたが…Twitterをやってなかったので…応募したことがなかったんです…。
しか~し、今年になってTwitterを始めましたので、応募する権利があるんです。新潮文庫もフォローしてるので、是非とも、今年は、応募しようと思っています。「#キュンタ」の謎を解明するのだ~。
売り場情報~! 2022年8月1日現在
ワタクシの生活圏では、ナツイチやカドブン夏フェス2022の売り場はありましたが、新潮文庫の100冊は7月になってから始まった感がありますね~。ま、大きめの本屋さんであれば、たいていやっていると思います。
ジュンク堂池袋本店 → 3階文庫売り場にてフェア棚あります。
三省堂池袋本店 → 地下文庫売り場にてフェア棚あります。例年の場所と違っています。
八重洲ブックセンター →5階文庫売り場にてフェア棚あります。
また、色々なところのTUTAYAさんでも開催中です。
そして、気になるフェアはいつまでなのかというと…例年ですと、8月31日までです。
夏休みが終わると、売り場もすっかりなくなってしまうので、注意が必要です。
まとめ
さて、「新潮文庫の100冊」のまとめです。
①大きめの本屋さん、もしくはもよりのTUTAYAに行く。
②「新潮文庫の100冊」の小冊子をもらう。
③なんとか4冊を選び、購入する。
④ステンドグラスしおりと本の写真を撮って、TwitterかInstagramにアップする
⑤純金キュンタが当たるように祈る。
⑥とりあえず、本は積んどいて、次の出版社の文庫を吟味する。
⑦8月はひたすら読む。
⑧8月の下旬ころ、本が少なくなった新潮文庫の売り場へ行き、「来年また会おう」とエールを送る。
⑨積読本の置き場所を探す。
小冊子の特別のページとは…?
小冊子の特別のページとは、新潮文庫のひみつが記載されているところです。知っているようで知らない新潮文庫のひみつを読んでみてください…。
それと、昨年からだったか…「ほんのきろく」という、100冊分の思い出を記録できるノートのような冊子も発売しているのですが、その記録の仕方が書いてあります。
新潮文庫の100冊の小冊子には、本の表紙が写真で掲載されていますが、その写真部分を切って、ほんのきろくに貼ることができるという優れものなんですよね~。そういう意味でも、この小冊子は絶対2冊は欲しいですよね~。
今年の新潮文庫の100冊のうちの、4冊はコレダ!
というわけで、今年も4冊を選ばせていただきました。実は、7月中に買っていたのですが、紹介がおそくなってしまいました…。
今年は、厳選した結果、こちらの4冊になりました~。狙ったわけではないのですが…日本人作家の方がひとりもいなかったのは…初めてかもしれません。
昨年から気になっていたのが、「ある奴隷少女に起こった出来事」と「月と六ペンス」ですね。読んだこともなく、気になっていたのでいずれ読もうと思っていたので、今年決めました。
「悲しみよこんにちわ」は、限定プレミアムカバーから1冊えらび、「センス・オブ・ワンダー」は立ち読みで、新潮文庫らしからぬ目も覚めるような白い紙と、綺麗な写真が何枚も入っていて…文字も大きくて読みやすい!と思ったので決めました。レイチェル・カーソンも沈黙の春とかね…読んでおかなければならない名作ですよね~。まだ、読んだことないけど…。
というわけで、ちょっとだけ内容を紹介しておきましょう。まだ、読んでませんので裏に書いてあるあらすじから…。
センス・オブ・ワンダー レイチェル・カーソン 訳:上遠恵子 写真:川内倫子 590円(税別)
これは、海洋生物学者の著者が、子どもたちに語りかけているような本ですね。ロジャーという子どもと自然のなかで色々な発見をする様子が語られているような、非常にやさしそうな本です。本編自体も短くて、文字も大きく、綺麗な写真も掲載されているので、子どもが読んでも良いかもしれません。そして、「私のセンス・オブ・ワンダー」ということで、福岡伸一さん、若松英輔さん、大隅典子さん、角野栄子さんという豪華な方々による解説エッセイもついています。
また、写真は…日本の写真だと思うので、みてるだけでホッとしますね~。これはお勧めの本ですね。
悲しみよこんにちわ フランソワーズ・サガン 訳:河野万里子 520円(税別)
18歳のセシルとプレイボーイの父レイモンとその恋人のエルザで、南フランスの海辺の別荘で夏のヴァカンスを過ごしている。セシルは、大学生のシリルと恋に陥り、レイモンのもう一人のガールフレンドが合流。父が、再婚を考え始めたことを察知したセシルは、ある計画を思いたつ…。
なんとも…フランスっぽい内容ですね~。昨年読んだ、カミュの「異邦人」みたいな感じかなぁ~。
月と六ペンス サマセット・モーム 訳:金原瑞人 630円(税別)
ある天才画家の情熱の生涯を描き、正気と狂気が混在する人間の本質に迫る。スパッとした説明がいいですね~。読み応えありあそう。
ある奴隷少女に起こった出来事 ハリエット・アン・ジェイコブズ 訳:堀越ゆき 630円(税別)
好色な医師の奴隷となった美少女リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は、自由を掴むために、他の白人男性の子を身ごもることを決意する。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遥かに凌ぐ格差の闇を打ち破った究極の魂の物語。ということで、小説のようですが、実話と証明されているようです。いや、こりゃぁ~読まなければなりませんね~。
というわけで、今年の4冊です。積読にならずにしっかり読みたいですよね~。がんばるます!
そして、こちらが、プレゼントのステンドグラスしおり4種です。コンプリートですね。
そして、今年は…初めて、キュンタ大作戦2022に参戦し、純金のキュンタしおりに応募したいと思っております! 万が一当たったら…報告しますね~。
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今年の夏もおわりました…。
さて、皆さんはどのような夏をお過ごしでしたか~? 今年も暑かったですね~。エアコンの効いた涼しい部屋でのんびり読書といきたいところでしたが、電気不足だったり、物価も値上げ方向だったりで落ち着かない夏だったかもしれません。それでも、やっぱり夏は終わってしまいました~。
9月になり、ほとんどの書店ではキャンペーンが終わってしまいました。金のキュンタくんしおりは当たらなかったです…。そもそも、ちゃんと応募できてたのか不安ですが…。
さて、今更ですが、しおりがコンプリートできてない。とか、もう1枚欲しいなぁ~と思っているという方に朗報です。
池袋のジュンク堂本店では、まだキュンタくんのしおりを配布しているはずです。3階のカウンターに置いてありました。好きな新潮文庫を1冊買うと、もらえるはずです。9月いっぱいかなぁ~っと思いますので、急いでみてください。
ちなみに、よまにゃのブックバンドもありましたね~。
それでは、今年はこの辺で…また、来年の夏に会いましょう~。
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