「とんび」映画原作小説のあらすじと魅力!

本や読書。

 2022年の4月から、重松清さん原作の「とんび」が映画公開されます。
映画を見る前に原作を読んでおくか、映画を見てから原作を読むか悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
 たぶん…どちらでも大丈夫だと思っています。ワタクシは原作を読みましたが、泣き通しの本でした。きっと、映画もエライことになるのは必須ですので、バスタオルを持って行った方が良いかもしれません。

スポンサーリンク

まずは映画情報!

  公開:2022年4月8日(金)
  原作:重松清「とんび」角川文庫
  監督:瀬々敬久
  脚本:港 岳彦

 角川文庫で出版されてから、2022年で10年になりますね~。物語としては、まったく色あせない不変のテーマですが、基本的にはパパが読むのが良いと思っています。
 そして、監督は瀬々敬久さん。瀬々さんと言えば…ワタクシは「64(ロクヨン)」を思い出しますね~。当時、小説を読んだ時の昭和のイメージが、そのまま映画になっていたのでびっくりした記憶があります。懐かしかったですね~。昭和あるある的な感じで盛り上がった記憶があります。

 今回の物語も昭和37年から始まりますから、ちょっと期待しちゃっています!

登場人物とキャスト

 主要な登場人物とキャストを紹介しましょう。もちろん、もっと登場人物はいますが、この5人を押さえておけば大丈夫かなぁ~っと思います。

 ヤス(市川安男):阿部寛
  日本一不器用な男、幼い頃に両親と離別してしまったため、家族に憧れを持っている。

 美佐子(市川美佐子):麻生久美子
  ヤスの妻、優しく賢明な妻、ヤスと同じく両親と離別している。

 アキラ(市川旭):北村匠海
  ヤスの息子、優秀でまっすぐな子、ヤスや周りの人達に支えられ育つ。

 たえ子:薬師丸ひろ子
  飲み屋の女将。ヤスの良き理解者でアキラの事も気にかけている。

 照雲:安田顕
  お寺の住職で、ヤスの幼馴染、アキラを我が子のように可愛がる、アキラの良き理解者。

キャストについて…

 これは、言っておかなければならないかな~っと思う事には、ヤスが阿部寛さんなのは…カッコ良すぎではないかと…とはいえ、他に…と言われても思いつきません。
 映画「とんび」の公式サイトでは予告を見ることができますが…お宮参りですかね~。阿部さんがスーツでビシッと決めたシーンがありますが…これは…もう、メンズノンノでして…いや…普通にカッコいいだろう~という感じです。

 ヤスのような、やんちゃな昭和男を演じることもできる阿部さんの演技力に敬服しつつ、大泣きさせていただきます。

 ちなみにですが…ワタクシ、公式サイトの予告編30秒を見ただけで涙が止まらなくなりました。花粉症の時期で色々つらいのに…(ブログ書くのも中断…)

 というわけで、公式サイトの方も是非ご覧ください!
  こちら→https://movies.kadokawa.co.jp/tonbi/

スポンサーリンク

あらすじ

 あらすじは、原作小説のあらすじです。
 昭和37年の備後市…ということですが、備後市という市は存在しませんので、設定としては広島県の瀬戸内海に面した町ということですね~。

 昭和37年の備後市、瀬戸内海に面した町に市川安男(28歳)が嫁の美佐子と暮らしている。
 美佐子のお腹には赤ちゃんが…。ヤンチャなヤスだったが、元気な赤ちゃんが産まれてくるようにと、お酒やギャンブルからも手を引いて真面目な生活を送っている。働きっぷりも超真面目になった。
 2人はそれぞれ、早くから両親がなく普通の家庭に特別な思いを抱いている。
 ヤスは、雑だが気は優しくて力持ちという感じで、根がまっすぐで正直なために町のみんなからも慕われている。

 予定より2週間早く生まれてきたアキラだが、元気に成長していく…。

 と、ここまでが58ページ。もう、幸せいっぱいのここで読み終えてもいいかな~という気になります。ここまででも、2~3回はウルウルきて読むのを中断しちゃうくらいですからね。もう、大変な本です。

 この後、幸せな生活は続くかと思われてたのですが、悲劇が家族を襲います。
 ヤスの職場に、奥さんと子どもを連れてきたのです。お父さんであれば誰しも、自分が一生懸命に働く姿を子どもや奥さんに見せたいと思いますよね~。しかし、この時に事故があり奥さんがアキラをかばう形で荷物の下敷きになってしまいます。
 ヤスは二人を職場に連れてきたことを後悔しますが、アキラを育てるために自分がしっかりしなくてはならないこと、自分が両親と離別してしまった苦しみをアキラには味合わせてはならないと強く決心するのです。
 ここから、ヤスとアキラの二人の生活が始まります。

 もちろん、不器用なヤスが上手に子どもを育てていくことはできません。しかし、ヤスには頼れる職場の同僚や上司、飲み屋の女将、幼馴染など仲間がたくさんいて、周囲の協力を得ながらアキラはすくすくと成長していきます。
 アキラはヤスに似ず、優しく頭の良い子どもだったことから、「とんびがタカを生んだ」と言われていました。

 これが…この小説が「とんび」になった理由だと思います。あくまで、ヤスが主人公ということですよね~。

 さて、自分の子どももそうですが、小学生くらいまでは色々と言葉を濁すことができることも、中学生くらいになってくると、そうもいかなくなってきますよね~。それと同じで、アキラも母親の死の真相を知りたがったり、中学校で暴れてしまったりと問題も発生してきます。

 父親としての苦しみや悲しみを、家族でもあり子どもでもあるアキラになかなか伝えることができず、喧嘩になったり、家を飛び出したりと、その度に周りのサポートがあってなんとか育てることはできても、向き合わなくてはならない時が必ずあります、ヤスとアキラの心の葛藤を感じ取って大泣きしてください~。

 そして、やがてやってくる、父と子の別れ…。アキラは東京の大学を目指し、就職も東京。当然、寂しくなるヤス。疎遠になっていく家族…。

 ん~。ここからは、言えません!
 続きが気になる方は、小説を読むか…映画を見るかですね。
 というのは、この後がどのように描かれるのか…小説と映画は違うかもしれないなぁ~という感じがしています。もちろん、大きく違ってくることはないと思いますが、最後のシーンに向けてどのように組み立てていくのか…というところが、期待しつつ気になるところですね~。楽しみです。

小説と映画との違い…

 もちろん、小説と映画は表現方法、時間などの制限もあって違ったものになってしまうのはしょうがない事だと思いますが、テーマは同じだと思います。

 また、今回の映画の予告では、アキラがナレーションをしています。サブタイトルも、『父のめいっぱいの愛と、皆の暖かい手で、僕は大人になった』そして、「これは、僕の〈家族〉の物語。」と言っているんですね。つまり、アキラの視点なのかなと…。

 自分は、やはり、子どもが生まれてからこの本に出合った事もあり、父親目線で読んだと思っています。でも、自分に子どもが生まれてしまうと…自分にも父親がいますので、自分が父親に思っていた事、子どもが生まれたから思う事、これから子どもに思われる事など…色々な思いが頭をよぎりますね~。自分がどういった気持ちで映画を見るのか…非常に楽しみです。

スポンサーリンク

小説を読んだ感想は…。

 基本的には、宇宙人も怪人もでてこない非常に穏やかな本です。それなのに、これほどまでにハラハラドキドキする本は珍しいですよね。ヤスの一挙手一投足にドキドキし、ヤスの一言に涙しました。作品中でヤスは何度も泣きますが、こちらも泣いています。絶対に電車では読んではいけない本です。

 物語は昭和37年のアキラの誕生から始まっていますので、アキラは現在60歳ですね~。昭和の古き良き時代を駆け巡ったわけですが、家族の在り方も地域との関わりも現代とは違っていますが、父と息子という関係性は、変わらないと思いますね~。
 子どもにとって、父親というのは絶対的な存在で、つねに完璧な存在として認識されています。しかし、世の中に完璧な人間などいないように、父親も苦しんだり悩んだり失敗したりするんですよね~。それを「恥ずかしい」ということで子どもには隠しちゃうのが、この時代のお父さんでもあったと思うのです。
 作品の中では、周りの大人達がヤスの気持ちを理解していることから、アキラに対して「お父さんも苦しいんだよ」なんて伝えてくれることにより、アキラも理解することができていました。

 今では田舎でも周りにそういう人達っていなくなりました。そうなると、父と子は直接コミュニケーションをとるしかない、子ども相手に強がっているばかりじゃなくて、素直に打ち明けた方が良いこともあるのかもしれませんね。

 核家族が進行した中での新しい父と息子の関係をどうやって構築していくのか…現代の父親は困っています。さぁ、スマホを持った新しい父と息子の物語を期待します!…ん~重松さんに!

実は子育ての極意があった!

 ワタクシは、この本を子育て中のお父さんにぜひ、読んで欲しいと思っていますが、実はワタクシはヤスの一言を読んだときに、衝撃を受けたのです。それは「親が自分の子どもを甘やかさないで、誰が甘やかすんじゃい!」というセリフ。これは、まったくその通りだなと思いましたね。
 この言葉は、ワタクシの子育ての指針として現在も機能しており、日々甘やかしております。

 ただ、これ間違ってはいけないのは、子どもが「自分は大切にされている」と感じる事が大切だという意味だと解釈しているので甘やかしが大切になるのは、自意識が確立されてくる小学校高学年から中学生の頃じゃないかなと思っています。子育て中によくありがちなのは、「小学生の頃は色々面倒みていたが、子どもが中学生になったかのを機に自分の事は自分でするようにさせた」というのがあると思いますが、これだと…「小学生の頃は良かったなぁ~」ってなりますよね。急に親が冷たくなったような、遠くなったような感じがしちゃうかもしれませんよね~。なので、どうせ離れていくんだから、今のうちにとことん甘やかしてやろうと思って奮闘中です。

 もちろん、ダメなものはしっかりとダメと言わなければなりませんからね。家来ではないので、親として甘やかす部分、親しか甘やかせない部分について、甘やかしてやろうということです。

 ちなみに、今回の映画の中でこのセリフが登場するのを期待しているんですよね~。どうかなぁ~。

スポンサーリンク

まとめ 

 いかがだったでしょうか。映画「とんび」が楽しみになってきましたね~。
 子育て論にも発展しちゃうくらい、深いテーマを内包している小説であり映画だと思います。
自分も、映画は見にいくつもりです。4月8日に行けるかどうかはわかりませんが、見にいったらご報告したいなと思います。その時は、泣きながら書いているかもしれません…。

 ぜひ、皆さまもバスタオルを持って映画館に足を運んでみてください~。

広告

コメント

タイトルとURLをコピーしました