今さらですが!中央公論新社創業130周年記念企画【螺旋プロジェクト】を読んでみよーう!

本や読書。

 さて、実はコチラ2016年の企画なんですよね~。なんでいまさら~という感じかもしれませんが…面白そうな本の事なら、昔の企画だっていいですよね~。
 だって、本は読めるんだから…。

 というわけで、中央公論新社が創業130周年の記念企画として行った螺旋プロジェクトを紹介したいと思いまーす。読んでみたいと思いまーす!

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螺旋プロジェクトとは…

 中央公論新社が創業130年を迎えるにあたって、文芸誌を立ち上げようという企画があったそうです。それで、「何か面白いことをやりたい」という想いを、伊坂幸太郎さんと話しているうちに…螺旋プロジェクトが産まれたらしいんですよね~。

創刊号なのかな?

 こちらが、中央公論新社が立ち上げた文芸誌「小説BOC」(ボック)です。2016年4月に創刊しました。季刊誌ということですので、年に4回の発行だったようです。
 残念ながら…現在は、WEB版に移行しているようで、紙本としては10巻まで発売されました。

螺旋プロジェクトってどんなもの?

 螺旋プロジェクトとは、8組9名の豪華作家陣が古代から未来の日本を舞台に、「海族」と「山族」の戦いを描く競作企画です…。
 まぁ、競作ですから…皆さんが同じテーマで書くわけですが…ルールがあるんですよね~。

  ①海族、山族の対立を描く。
  ②共通のキャラクターを登場させる。
  ③共通のシーンや、象徴となるモチーフを出す。

 こちらのルールに沿って、8組9名の作家陣が自分に割り振られた時代で物語を書くということです。

8作家と担当の時代とは…

 さて、それでは8組の作家と担当の時代を紹介しまーす。

  ①原始時代  ウナノハテノガタ 大森兄弟
  ②古代    月人荘子 澤田瞳子
  ③中世・近代 もののふの国 天野純希
  ④明治時代  蒼色の大地 薬丸岳
  ⑤昭和前期  コイコワレ 乾ルカ
  ⑥昭和後期  シーソーモンスター 伊坂幸太郎
  ⑦平成    死にがいをもとめて生きるもの 朝井リョウ
  ⑧未来    天使も怪物も眠る夜 吉田篤弘
  ⑨近未来   スピンモンスター 伊坂幸太郎

 という豪華なラインナップになっております! 全部で9作品ですね。言い出しっぺの伊坂さんが…2冊担当しているのでしょうか…。大森兄弟さんが…兄弟での参加ですので、9名なんですが…8作家で、9冊という…ややこしい感じになっております。

螺旋プロジェクトの特徴…

 さて、螺旋プロジェクトの9作品も、2025年現在ではそれぞれを文庫で読むことができます。歴史年表をたどるように…古代から順番に読んでいくのもいいかもしれませんね~。ふつうはそうやって読むのだと思います。
 ただ、小説BOCをみてみると…ちょっとびっくりするんです…。

教科書みたい…。

 小説BOCを横から見ると…教科書みたいに、黒い部分がありますよね…。そうなんです、古代から近未来まで同時連載なんですよね~。なので、共通のキャラクターや共通のシーンをどうやって連動させるの?とか色々と疑問に思ったり…大変そうですよね~。

共通の謎?

 ちなみにですが…螺旋プロジェクトには謎というか、秘密があるようです…ちょっと、詳しくはわかりませんし、ネタバレになっちゃっても困るので…あるらしいという事だけにしておきましょう~。

螺旋プロジェクトとの出会い…

 ワタクシが、この螺旋プロジェクトに遭遇したのは、八重洲ブックセンターの閉店キャンペーンで買った本なんですよね~。
 その時も、面白そうな企画だな~っと書いたと思いますが…まぁ、ずーっと積読になっていて…この度…読むことになりまして…読んでみたわけです。

 まぁ、企画の壮大さにもびっくりしましたし、面白そうだな~っとおもったんですよね~。

帯も当時のままですかね~。

 その時は、文庫本も色々でていたと思いますが、やっぱり古代から順番に読むだろう~っと思い、大森兄弟さんのウナノハテノガタを買ったんですよね~。
 そして…読み終わったタイミングで…次の本も買ったわけです…さて、読もうと思いながら…螺旋プロジェクトの事も調べているうちに…。

帯の文言はきになるね…。

 文庫本で読まない方がいいのか…?という疑問が立ち上がってきました…。たしかに、文庫で順番に読んでいった方がいいのかもしれませんが、同時に読める醍醐味というのは…文芸誌形式ですし…2016年にそういった企画でやっていたのですから、BOCで読んだ方がいいかも…と思ってしまったのです。

というわけで、まとめ

 というわけで…迷っている段階ではあるのですが…小説BOCはもう手にはいりませんので…電子書籍で読むか…古本で手に入れるか…。
 難しいようなら…やはり文庫で読むかもしれません~。

 とりあえず…全9作品を読んでみたいと思いまーす。

読んだ~。

 読んだ本についての感想は、こちらに書いておきます。

ウナノハテノガタ 大森兄弟 720円(税別) 267ページ

 原始時代を担当された大森兄弟さんは…読んだことがありませんでした。今回初めて読みます。壮大な物語の最初ですし…雑誌でも最初に読まれる部分ですから大変だったかと思います。また、原始時代といっても…ずいぶんと年代の幅が広いですよね~そういう意味では…自由な部分もあったかもしれませんけど…それほど選択肢は多くないかもしれません。
 基本的には、山族と海族の対立の物語ですので…対立してました!ただ…それだけではありませんでしたね。それぞれの掟や生活習慣、伝統などへの反発や葛藤など面白く読めました。
 もちろん…全体的に謎の多い状況なので世界に入るまでにちょっと時間がかかりましたね。そういう意味で、前半は言葉に慣れなくて…読みづらかったです。後半はサクサクいけましたけどね…。
 また、状況の説明が多めなので色々想像はできるので読みやすいかなと思います。ただ、ちょっと中だるみというか…単調というか…途中で雰囲気を変えて心理描写にいくとか…工夫があってもという感じでしたかね。

 そして、最後はどうなってしまったのか…は謎ですが…山族も海族も生き残っているから戦いがつづいているということは…ああいうことなわけで…うんうん。という感じでネタバレせずにおいておきましょう~。

 さて、文庫のページをめくると…螺旋プロジェクトの説明と世界観の説明、秘密を解くカギ、そして古代から未来までの年表が書いてあります。読んでしまうとネタバレになるらしいですが…そのぐらいは読んでおいた方が楽しめるかと思います。「あ、でてきたーっ」とか「これだ!」という感じでね。

 ここまででわかっていることは…島がある。クジラが登場する、ウェレカセリが描いた壁画。犬がでてくる…といった感じでしょうか…。

緊急事態!   2025年4月9日更新! 

 ワタクシが…この企画をやってみよう~っと思ったのは、八重洲ブックセンターのスタンプラリーの企画で出会った螺旋プロジェクトの本を買い、積読だったその本を読んだから…。
 その本は、大森兄弟さんの本で「ウナノハテノガタ」螺旋プロジェクトの最初に読まれる本といっても過言ではないと思います。ただ…正直…上記にも書きましたが、文庫を読んでいる最中も「面白い!」とは…なかなか思えなかった…。でも、これって1冊で判断してしまってはいけないのではないか…「繋がりと螺旋」というテーマなんだから…ひとつひとつは微妙でも、重なることで面白くなるかも…そういう企画なんだ…と思ったので、全部読んでみよう~!と思ったのでした…。

 ただ、その時にワタクシを悩ませたのは…文庫を9冊買って読むのか…。BOCを10冊手に入れて読む方がいいのか…どっちなんだい!ということだったんですよね~。

 あ、もう…わかっちゃいましたか…。そうなんです!ワタクシは…失念しておりました…。
 雑誌で連載しているものと、文庫で発売されているものが必ずしも同じではないということを…。

 というわけで、最初のBOC1のウナノハテノガタを読み始めて…びっくりです…全然違う!
 もちろん…BOCの1を読んだだけですが…全然違う。次の月人荘子は…同じだと思います…細かいところは…文庫の方を読んでないのでわかりませんが…。

 つまり、ウナノハテノガタに関してだけ言えば、文庫を読んでいるので…結末もしっているのですが…まぁ、せっかくだから…と読んでみたら…話が全然違うじゃん!ということになってびっくりです。もちろん、大筋では…同じなんだとおもいますけどね…。

 なので…他の作品についても…そうなの?…そういう可能性があるの…?だとすると…螺旋プロジェクトとしては…文庫を読んでも意味ないってこと?

そういった疑念が…生じてしまっているということです。もちろん、このまま読み進めるつもりです。そして言っておきますと…BOCのウナノハテノガタは…面白そうです。
いや、文庫を読んでいる時に、説明っぽい表現が多いな~って思ってたんですよね~。なんかね。余計な文章が多いという感じがしてたんですが…BOC1の方は…すっきりしているんです。

これは…すでに文庫を読んでいるので、その世界感を知っているから…というのも当てはまると思います。だから、初見で読むなら文庫がいいとなりそうですが…その文庫を最初に読んで…説明が多いと思ってしまったわけなので…判断が難しいですが…なんとなく…小説BOCの10冊で読んだ方が、面白いのではないか…と感じています。そして、気に入ったストーリーがあれば、文庫を読んでみる…という感じですかね~。

というわけで、不満を言っているように聞こえるかもしれません…まぁ、1割は不満でしたが、9割が期待ですので、これからのBOCが楽しみです!

各号それぞれの感想はコチラから

BOC1

というわけで…BOC1の紹介と感想を書いてまいります〜。若干…ネタバレも含むと思いますが、ご容赦ください。

ウナノハテノカタ 第1回

 さて、螺旋プロジェクトの最初に読まれるであろうこの作品…先ほども書きましたが、文庫版とは全然違います。主人公と読んでいいのかわかりませんが、物語の中心は海族のオトガイなのは一緒だと思います。この第1回でザイを島に送るのですが送り場所は、文庫では洞窟のようなところだったと思いますが…こちらでは違います。早くもアレが登場してしまうので、「なんかあったんだな」というのがわかります。また、村に帰宅後に山族の女性と出会います…こちらも、なぜそうなったのか…ということをすっ飛ばしているので、「なんでそうなったの?」という疑問は湧くのですが…文庫を読んで知っているので、このグライのテンポ感いいな〜っと思っちゃいますね〜。

月人荘子 第1回

物語は聖武天皇が崩御するところから物語は始まります。聖武天皇は道祖王を後継者とする遺言を残していました。橘諸兄は、その遺言が本当なのかどうかということの調査を、中臣継麻呂と道鏡に依頼する…今回は橘諸兄の独り語りという感じで聖武天皇との出会いや別れを聞かせて終了となるのですが…。いきなり道鏡が出てきたのでびっくりしましたが…続きが気になりますね…。

 というわけで、この後、どのように話が展開するのかはわかりませんが史実とされている歴史から見ると…結果的にはわかるのですが…どこに対立があるのか…というのが楽しみですね〜。

もののふの国 第1回

中世から近代という、随分と激動の時代を担当されて大変だろうと思いますが…面白かったです。序では詰襟の軍服を着た人が出てきますが…すぐに源頼朝が出てきます…なるほど…頼朝が山族で平家が海族なんですね〜。今回は色々あって、義経と再会するところまでです。今回の号で、首飾りが出てきますし、ウェレカセリに似たような感じの人も出てきます…。ふむふむ…繋がっているなと感じる事ができますが…これはワタクシがウナノハテノカタを1冊読んでしまっているからかと思います。ウナノハテノカタの第1回では、ウェレカセリの目の色については、さら〜っと触れた程度ですし、昼間のウナの色…と言われてもピンっとこないですよね〜。

蒼色の大地 第1回

薬丸さんが担当するのは明治時代…さて、どんなお話なんでしょうか…。主人公は…目の色が青いので…海族の灯(あかし)。爺ちゃんに拾われて村で暮らしていたが、目の色のせいで差別を受ける。爺ちゃんが亡くなった事で村にいられず、犯罪者が住まう鬼仙島にたどり着く、そこで海賊の仕事を手伝いはしたが…灯は、村で自分を差別しなかった山族の鈴という女性と静かに暮らすことを望むが、海賊の長である海龍からは、それは無理だと告げられる。しかし、自分に忠誠を誓うなら、鬼仙島で鈴と暮らすことも、さらに陸でも差別されない世界を見せてやるという。海族こそ高貴な血族であり、この世界を変えるために必要な選ばれた人間なのだと…。

 面白そう…。

コイコワレ 第1回

太平洋戦争の最中、宮城県に集団疎開をすることになった清子。目の色が青いので海族。疎開の場所は、宮城県の高源寺…。この高源寺に住む山族のリツが出会うわけなのですが…もう、のっけからバトルモードという感じで…お互い嫌〜な感じらしいです。こちらにも、ウェレカセリのような人物が出てきましたね。今谷源助という老人だそうです。清子も首飾りを持っていましたが…さて、この後はどうなるのでしょうか…。

シーソーモンスター 第1回

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