ごめんなさい!まず、最初に謝っておきます!
いや、おかしいなとは思ってました。本の表紙をめくると、写真が貼ってあって…、いや、そこにちゃんと「役者」とは書いてあったのですが…まったく見てなくて…。
写真だけみて、えらく別嬪さんだなぁ~とは思ってました。
まさか、元アイドルだったとは…。
その松井玲奈さんは、なんと、SKE48であり乃木坂46の元メンバーということでして、いや~びっくりしました。実は、ワタクシ、乃木坂46の「インフルエンサー」という曲が大好きでありまして…。松井さんも歌ってらっしゃったのかな~と思うと…変な感じです。
今は、卒業されて…女優さんやタレント、そして作家という才能を開花させてるわけですが、ま、お人柄とかそういった事は別のサイトにお任せして、こちらではあくまで書かれた小説について、話題にしていこうとおもいまーす。
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本との出会い
ぢつは…このカモフラージュは、2022年のナツイチのよまにゃオリジナルブックカバー本だったんですよね~。
ワタクシ、昨年もナツイチの記事を書いておりまして、この「カモフラージュ」を紹介していますが、デビュー作ということだけで、役者の「や」の字も、アイドルの「ア」の字も書いておりません…。まぁ、そりゃそうですよね~。知らなかったんですから…。
それで、積読タワーになっていた本から…抜き取ったらこの本だったので、読んでみようということになったのです。ですので、ホントの文庫のカバーがどんなものかも知りません~。
どこで、アイドルってわかったの?
解説ですよ解説。もう~解説!彩瀬まるさんが書いている解説に…しかも、最後の最後の方に、
『「カモフラージュ」の著者の松井玲奈さんを、日本に住む多くの人が知っていると思う。私も知っていた。国民的アイドルグループに所属していた彼女の姿や歌声を…』
カモフラージュ~解説よりp268~
と、書かれていて…もう、なぬーっとビックリで…。そうなの?誰なの?と慌ててググっちゃいました~。これ…松井玲奈さんの正体を知って読むのと、知らないで読むのでは、感想がまったく違うと思うので、ワタクシは貴重な体験をしました~。
今年のナツイチでも、松井玲奈さんの「累々」を紹介しているので…いや、変な事を書いてないだろうな~心配になってきました…。
ぜひ、皆さま、読んでみてください~。そして、ネタバレしないように内容を紹介して、感想をまとめたいと思いまーす。
カモフラージュはどんな本?
この本は、7つの短編小説です。単行本のときは、6話だったのかもしれませんが、文庫になるときに、「オレンジの片割れ」という作品を書き下ろしているそうです。
収録作品は、以下の通りです。
1、ハンドメイド
2、ジャム
3、いとうちゃん
4、完熟
5、リアルタイム・インテンション
6、拭っても、拭っても
7、オレンジの片割れ
ハンドメイド、いとうちゃん、完熟の3話は単行本書き下ろしですが、他は小説すばるに掲載された作品のようです。
本の裏表紙の作品紹介には、『恋愛からホラーまで、「食」にまつわる多彩な物語をおさめた鮮烈なデビュー作』と書いてありますが…まぁ、そういわれてみればそうですが…読んでいる時に「食」に関しては意識はしなかったですね~。
読んでみた感想。
ワタクシが、面白いと思ったのは、「拭っても、拭っても」と「完熟」ですかね~。
もうひとつと言われたら、「いとうちゃん」。
1冊を読み終わって、不思議な感じがしたのは統一されてない、バラバラの作品を読んだ~という感じですかね~。すっごい面白いというわけでもなく、かといって、つまんないというわけでもなく、なんだか…一定のスピードで走る遊園地の電車に乗っていて、色々な世界を回るような…それでいて、各作品にはどうなっちゃうの…というようなドキドキがありながら、解決してよかった~だったり、この先どうなっちゃうの~、だったり…すごく…不思議な感じがしました。
純文学と言ってもいいのかな~という雰囲気があります。
ここで、もの申すことではないのですが…だいたい変態的な事を書けば、なんか賞はとれるんでしょ~っていうような文学界の風潮から一線を画しているような感じがして、非常に好感がもてます。これからの作品に期待できるかな~という感じがしました。
ハンドメイド
女性の会社員の恋愛のお話ですね~。相手に会う時にお弁当を作っていくという話なんですが、女性の緊張感というのが伝わってきてドキドキしました。
友達の女性とのやり取りから、最後はどうなるのだろうか…とドキドキしましたね~。
最後のセリフはどういう意味なのか…という議論になりそうな感じですね~。
色々と妄想が広がるお話でした。好きな作品です。
ジャム
最初は良かったんですよね~。平和で…そして…どういう事なの…ってなって、メインどころでは怖かったというか…なんだろう、不思議な感じですね~。
子どものころに見た、怖い映画を思い出しました…。遊星のやつ…。
いとうちゃん
話が明快で、あかるくて、無事に解決でいい作品ですね~。読んでいて楽しかったです。バターの香りが漂ってきて…美味しそうでしたね。どんな人にも、ちゃんと最適な居場所はあります。
完熟
いとうちゃんの後の作品だからでしょうか…よけいに妖艶な作品に感じました。短いんですけど、文豪の作品にでてきそうな、ぜひ読んで欲しいですね~。途中で視点が変わるのもいいですし…この二人の今後についても非常に気になります。
リアルタイム・インテンション
ん~。ドタバタ劇なので、面白く読めそうなんだけど…この本全体の雰囲気によって、淡々と読んでしまった…という感じですかね~。
拭っても、拭っても
これが一番面白かったですね~。一緒に食事をしている友達が…スプーンかなレンゲだったかなをマーボ豆腐に突っ込もうとした時に、手をガシッと掴む謎とか…。サービスの餃子がうれしくない謎とか…。そういった謎が解き明かされている語りが絶妙に良かった。
う~。これ以上は言えない…。でも、この作品が、円満解決に向かいそうなところが良かった。
オレンジの片割れ
ちょっと…ジャムに通じるものがあるのかなぁ~。そこまでホラーではありませんが…。お味はどうなんですか…と気になる!
考察。
ん~。先ほども言いましたが、基本的にはすべての話が解決しているのがいい所です。解決していない話でも、今後が大丈夫そうな話が多いです。まぁ、「ジャム」はどうなんだか…微妙?
そして、こう…人間の内部にある何かに焦点が合いそうな気がしますね~。産み出す苦しみなのか…。もっている何かをさらけ出したいのか、他人のを見たいのか…。
カモフラージュという言葉にも、何か意味があるのでしょうね~。
カモフラージュとは、周囲の風景に溶け込むことにより目立たなくさせることですよね。ということは、普段、私たちはお互いがお互いをカモフラージュしているけれども、よーく見るとそれぞれに違いがあるよ。ということなのでしょうか。
それとも、カモフラージュできてない人たちを描いたということなのでしょうか…。
それとも、この作品達によって松井さんの何かを見えづらくしているのでしょうか…。松井さんが作品の中で見せようとしている部分、それによってカモフラージュされている何かがあるのかもしれませんね~。
んん~。デビュー作ということですからね。今後に期待できると思います。
まとめ
というわけで、「インフルエンサー」を歌っていたであろう松井玲奈さんの「カモフラージュ」の感想を僭越ながら書かせていただきました~。
いや、ホントに普通に読んで楽しめましたので、十分です。ありがとうございます。
これからの作品にも期待しておりますので、お忙しいとは思いますが、書いていただけるとありがたいです。
このカモフラージュの前に読んでいた本は、もう、プロ中のプロの方が書いた本でしたが、内容が酷くて、あまりにも酷くてブログでは紹介できないし…ガッカリしていたところでした~まいったね。
いや~、世の中には色々な出会いがありますね~。
これだから読書は止められません~。さぁ、皆さんも本屋さんに行って、素敵な出会いを楽しんでみてください~。
よまにゃのしおり
ナツイチ2022のキャッチコピーは、「夏の行き先は本が決める」でした。いい場所に連れて来てもらったなぁ~。ありがとう!よまにゃ!🐈
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こちらが、オリジナルの表紙ですね~。
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