積読解放?【河出文庫グランドフェア2021】で購入した本を読んでみた~。

本や読書。

 まぁ、たまたま手にした本が、河出文庫グランド2021で購入した本だったという事です。
 ワタクシの場合、家に職場に…積読タワーを多数建築中ですので、こういった事はめずらしくありません。

 しかも、その時のフェアの本をまとめて積んでおくということがないんですね~。バラバラだったりします。というのは、買う時に上下巻とかでしたら、まとめて買いますが、全部で6冊を選ばなくてはならないとなると、時間をかけて…本屋さんをめぐって買ってしまうので、自分でもどこのタワーに入っているのかわからなくなってしまうんですね~。

 というわけで、過去の記録を紐解いてみましょう~。

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グランドフェア2021とは…

 河出文庫のグランドフェアとは、「全部もらえる、必ずもらえる」を合言葉に、5月くらいから開催されるフェアです。
 2021年のときは、2冊でブックカバー、5冊でトートバック必ずもらえるのでした。

 この記事を書いている2023年も開催していました…。
 う~ん。池袋ジュンク堂なら、まだ間に合うかもしれませんね~。

  河出文庫グランドフェア2023はコチラ → ワタクシの記事です

  しゃらくせぃ~河出文庫へという方はコチラ → 河出文庫グランドフェア2023

なんで今頃…?

 ワタクシが、このブログを始めたのが2022年でしたから、2021年のフェアには参加して、すべてのアイテムをを手に入れていましたが、本の紹介とかしていないし、これも何かの縁ですなぁ~っと思い。本の紹介と感想でも書いておこうと思ったのでした。

 いただいたトートバックとブックカバーは…どこかに保存してありますので、見つかり次第、写真を載せたいと思います!

河出文庫グランドフェア2021に買った本はこれだ!

 この時は5冊購入して、今回読んでコンプリートです! いや~時間かかってるね~。

すごい物理学講義

これは前によんでいました~。

 物理の本というのは、なかなか読む機会もないし、読みたいと思う事は少ないかもしれませんが、
読んでみると意外に読みやすくて面白いです
 だって、学校の教科書とは全然ちがって、わからない部分はすっ飛ばして読んでもいいし、覚えなくてもいいんですからね。「へぇ~、そうなんだ~」といった軽い感じでいいんです!

 ワタクシは、この本に限らず宇宙とか物理に関する本が好きですね~。ちゃんと理解できてるの~っと聞かれると…全然ダメで、難しい数式とか英語の羅列がでてきたら飛ばします。それでも現代でもまだよくわかっていない事、現在分かっている事、何故それがわかったのかというような話をとても面白く感じます。単純に物理といっても非常に話題はたくさんありますし、数学などの話題も非常に面白いものがあります。そういった本を1年に数冊ですが読んで少しずつ理解を深めています。
 この本も2021年の河出文庫グランドフェアのラインナップに入っていたので、読んでみました。毎回思うのですが、ワタクシのような素人にもわかりやすく面白く書くのって大変なんだろうな~ということです。

 読んでみて、とても面白かったですね~。まぁ、そもそも知らないことがいっぱいなので読めばそりゃぁ、色々と驚きの連続ですよね。この本は、ループ量子重力理論の研究者が自説と最新の研究成果を紹介してくれていますが、そもそもループ量子重力理論ってナニ~ってことですよね。
 そして…それなりに難しかった~。でも、いいんです。読んでるうちになんとなく分かってくるはずです!

ループ量子重力理論ってナニ~?

 皆さんも量子力学なんて言葉は聞いたことがありますよね。量子コンピューターなんて言葉もあるくらいで、我々の生活にも密接にかかわってきています。単純に言えば、量子とは我々を構成する分子とか原子よりも小さい世界のことです。
 また、皆さんはアインシュタインの一般相対性理論もなんとなく聞いたことがありますよね。この量子力学と一般相対性理論はどちらも整合性がないとダメんだそうです。
 ところが、現在ではちょっとうまくいってないみたいなんですよね~。そこで、量子力学と一般相対性理論の整合性を取るための理論として最有力なのが、「超ひも理論」「ループ量子重力理論」だということです。日本では「超ひも理論」が有名で本もたくさん出版されています。
 ワタクシも「超ひも理論」という言葉だけは知っていたので、今回の「ループ量子重力理論」もあるんだという事に驚きましたが、どういう理論なのか…というは全然説明できません。

ループ量子重力理論を理解するために…  

 まぁ、そのループ量子重力理論を理解するために、この本があるわけですが…著者のカルロさんは、我々を紀元前のギリシャに連れて行ってくれて、そこから知と科学の変遷を教えてくれるのです。また、カルロさんの軽妙な語り口にグイグイ引き込まれてしまって、第4章のアインシュタインまでは一気に楽しく読むことができました。
 が…後半は難しかったですね~。カルロさんも言っているようにまだ確実にわかってない部分や研究途中の部分もあるということで、なかなか…イメージできませんでしたが、「空間はどこまで分割できるか」とか「時間は存在しない」とか衝撃の事実が盛りだくさんです。この一番重要なところが、第6章と第7章なんですが…一番難しいかもしれません…変な数式もでてくるし…もう、半べそかいてます。

しおりはコレ!

時間は万人に共通に流れるわけじゃない?

 時間が存在しないという事は説明できませんが、時間の不思議なことのひとつに重力の影響を受けるということがあるそうです。双子がいて、一人は海のそばで暮らしている、一人は山のてっぺんでくらしている。久しぶりに再会すると、山で暮らしている方が年老いているそうです。これは、非常に正確な時計があれば数センチの高低差でも確認できることらしいです。ということはですよ…宇宙ステーションで暮らしている方が時間が早く流れるってことですよね~。いや~、不思議ですね~。イメージ的には宇宙にいる方が、時間がのんびりしてそうですけどね~。

ぜひ、みんなに読んでほしい…

 この本は面白いと思うだけど難しい。なので、なかなか読もうという気にはならないのも確か。でも私たちが興味を持つことが、こういった研究をしている方々の励みになることは確かです。
 最近は、哲学が見直されてきていますが、少し前までは哲学は終わったと言われていたのを覚えています。哲学は役に立たないから科学を勉強しましょうという議論もありました。この本の著者であるカルロさんはアリストテレスの議論を持ち出して、哲学の有用性を説いたそうです。その本は別の著作なので、いつか紹介したいと思いますが、今回の本なかでも、たくさんの哲学者が出てきます。これほどまでに、科学と哲学が密接にかかわっているとは思いもよりませんでした。ですので、理系の方だけでなく文系の方にも是非読んでいただきたいなぁ~っと思っています。

 最後に…皆さん、物理学を研究しているイタリア人ってどんな風貌をしてると想像しますか?
 カルロさんはイタリア人なのですが…最新刊の紹介で写真がでていましたが…かっこいいイケメンおじさまでした…。悔しいから買って読むしかないね…。

2022年9月30日に書いたようです。

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神曲

 そして、ダンテの神曲を3冊読んだんですよね~。面白かったですよ~。

地獄篇

すごい表紙ですね

 さて、今年も始まりました~。河出文庫のグランドフェア2021。必ずもらえる…ブックカバーとトートバックです。というわけで、今年も5冊読まなければなりません…。

 色々な本があるなかで…今年は、ダンテの3部作を読んでみようと思います。これで…とりあえず3冊は達成というわけです。まとめて購入したのですが…この3部作…どれから読むの?順番があるのかしら…と文庫の背表紙をみれば…「タ 2-1 ダンテ」とありましたので、この地獄編から読むという事らしいです。

 もともと…昔から気にはなっていたのですが、本自体が分厚いこと…挿絵がいいので、大きな本で読みたいなぁ~っと思っていたこともあって手を出していませんでした。昔…B5だかA4だか忘れましたが、そのくらいの大きさの豪華な本があったような気がします。パラパラみたときの絵に衝撃を受けたことを覚えています。この絵が…いいんですよね~。
 詳しくはわからないのえすが、よくキリスト教関係の本などで見かけますよね~。白黒なんですが…好きですね~これ…。というわけで早速、読んでみましょう~。

 ふむふむ…読みました…。う~ん。まぁ、すごかったし…描写もいいですが…現代に読むべき本かどうか…というのは謎ですね~。

しおりはコレを使ってたようです。

 まぁ、そこは後に触れるとして…私たちが地獄と言われて想像するのは…やはり、閻魔大王がいて…生前の罪によって色々な地獄に送られて…そこにいる鬼たちに苦痛を与えられる…というものですよね~。そういえば…このイメージがどこから出てきたのかというと…よくわかりませんね~。子どもの頃から、親や先生に言われていたり…本などを読んだイメージが強いですよね。

 自分は…罪を犯して地獄に送られても、いずれ仏さまのお慈悲により許されて、再びこの世に生まれてくる…輪廻という考え方と、この世が修行の場になっている…という感じを持っていました。芥川龍之介の蜘蛛の糸なんかを読んでも…お釈迦様の気苦労が思いやられますよね…。

 その一方で、キリスト教でいうと…今も神と悪魔が戦っていて…生きている時の行動によって神の軍勢に参加できるか、悪魔の軍勢に参加するかが決められてしまう。そして、神の軍勢は最終的な戦争…ハルマゲドンに勝利する…その後、神の最後の審判があって、がんばった人は楽園に…そうではない人は魂も消滅してしまう…という風に思っていたので、地獄というのはいわば…悪の巣窟であるから、悪の軍勢が楽しく暮らしているところ…と思っていました。ルシファーとかベルゼブブとか悪の王が着々と勢力を広げ、神との最終戦争に向けて、現代人を誘惑しようとあの手この手を使って勧誘活動をしているのだと…。

 なので、今回のダンテの地獄編を読んで…キリスト教でもこういう考え方があったんだと驚きました。日本人が読んでも受け入れやすいだろうなぁ~っと…。ただ…この本は地獄がどういう場所で、生前にこうしていると…こういう罰があたえられるよ…というような教訓としてのものではなく…歴史上で知っている人が地獄に落ちていたり…手放しで称賛できる本ではないかなぁ~っと思います。

このあたり…眉をひそめながら読んでいましたが…最後に、この本を翻訳した平川さんも「いかがなものか…」とおっしゃっていることに衝撃を受けました。なんといっても、あとがきのタイトルが「ダンテは良心的な詩人か」ということで…ご自分が翻訳した本に…倫理的な考察する…。好きだから翻訳、面白いから翻訳というスタイルだけでなく、こういった翻訳の姿勢に感動しました。このあとがきは一読の価値があるものだと思います。

というわけで…あと2冊もあるんだけど…と途方にくれそうになりますが、平川さんの翻訳なら安心して読めるかな~っと…頑張ってみようと思います~。

 2021年6月29日に書いたようです。

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煉獄篇

なんか、いい感じの表紙になってきました。

 先日の地獄編に続いて煉獄編を読んでみました~。言われてみれば、煉獄ってなんだろう…という感じでした。言葉としては知っていても、具体的にどういう場所なのか知らなかったです。
 なので、地獄の続きくらいにしか考えていなかったのですが…いや、あんな場所だったとは…驚きです。

 まぁ、簡単に言ってしまうと罪を犯しても、死ぬまでの間に反省した人や、死ぬ寸前に神様に謝った人たちが煉獄に行けるようです。…ただ、煉獄では七つの罪について…反省というか罪を償うらしいのですが…七つの罪といえば…漫画、アニメでお馴染みの「傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食、怠惰」ですよね~。
 煉獄に行けるのは、あくまで七つの罪に限っての事なのでしょうか?重大な罪を犯し、即刻地獄行きのような人は救済されるのかどうか…なかなか…システムが難しいです。ちなみに煉獄にも門番がいて、入るのには許可がいるそうです。ということは、地獄と煉獄の間もあるわけで…地獄行きではないけれど、煉獄にも入れないという人もいるそうです。このあたりが…七つの罪以外の人たちですかね…。煉獄は罪を清める場所なので、しっかり反省するようですが…。しっかり反省したかどうかよりも、まだ生きている身内のお祈りによって清められる要素もあるようで、煉獄を見学中のダンテに向かって「現世にもどったら、オレの家族につたえてくれ~」というような話が良く出てきます。ん~。まぁ、私たちも普段、ご先祖様に手を合わせますから、なんとなく意味はわかりますが…そっちがメインなの?という感じはしますね。あくまで罪を清めるのは自分自身なのでは…と思うのですが…。また…この七つの罪については、漫画を読んでから知りましたが…聖書に書いてありましたっけ…。う~ん。あまり…覚えてないんですよね~。

しおりはコレを使ってたみたい。

 また、ダンテとウェルギウスの地獄、煉獄ツアー中に何度か言及されていますが、ダンテはまだ生きていることもあり、影もあり重さもあるように表現されていますが、ウェルギウスや地獄や煉獄にいる方々は体がないようです。このあたりが、日本でいう地獄との違いですよね~。なので、ダンテの言う地獄や煉獄での苦しみも精神的な苦痛がメインなのかもしれません。表情とかが苦しそうですものね…。そう言うわけで、家族のお祈りとかが必要なのかもしれません…。日本でいう地獄では…もう、鬼達が、刀や包丁で罪人の体を切るわ、刺すわで…血が噴き出ていますので、わりと肉体的な苦しみがありますよね~。なので、見るからに恐ろしい感じがしますが…「裁かれる」と「捌かれる」という感じで面白いんですが…恐ろしいです。

 読んでいて気になるのは…旧約聖書とか聖書からの引用だったり、ギリシャ神話とかの話が多くなっていますね。もはや、訳注を読まないとわけがわからない感じですが…ローマが重要だったりするんですよね…ただ、ローマも紀元前からありますよね…。その辺の関係性とかキリスト教を迫害していた歴史もあったような気がしますが… 聖書からはペトロ、ルカ、ヨハネ、マタイなど…出てくるんですが…パウロは出てきませんね~。パウロはローマの人だったような記憶がありますが…どうしたんでしょう…このあたりの歴史についても、まだまだ勉強不足ですね~。ギリシャ、ローマについては…あの方の本を読まなければいけないと思ってはいるのですが…なんせ…長いので…。

 さて、この煉獄編の最後には…良いとこに行くんですが…まだ天国ではないようです。なぜなら、まだ、なんか…変な悪そうなのが出てくるんですが…ここにコレ必要なの?的な不思議な感じです。そして、今まで旅を共にしてきたウェルギウスとの別れ…地獄の縁で暮らす彼らはこれ以上先へは進めないようです…。

 この地獄の縁と煉獄にはいる前の場所の区別とか…色々と難しいですね~。

 さてさて、面白かったかどうかと聞かれれば…微妙としか言えない感じですね。詩人としての評価も高く、後々の芸術に多大な影響をあたえたかもしれませんが…だったら…聖書か旧約聖書を読んだ方が…面白いしインスピレーションがわくような気がしますね~。とはいえ…読むことに意義があるのです…そしてついに、3部作の最後、天国編が待ち構えていますが…いかに天国が良いところか…というのが分かると思いますし、どうやって現世にもどるんだろう…というのも気になります。天国は…自分には縁がない場所だとは思いますけれども、知っておいて損はないかもしれません。今まで蜘蛛は何匹か助けたので、いざとなれば…何かが垂れてくると思うのですが…。

2021年7月24日に書いたようです。

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天国篇

 さぁ、最後の天国編になりました。詩的な言葉の端々に現れる、ちょっとした悪口みたいなのにうんざりしながら、なんとか読み切りました~。ただ、そんな悪口も…神への信仰心が高じて…と思っているんですが…ん?というような感じの箇所もあるんですよね~。

 そもそも、ダンテは…キリスト教のどこぞの宗派に属しているんですよね、きっと。なので、その宗派以外は…認められないようですし、さらに、他の宗教やキリスト以前の神は…信仰してはいけなかったようです。地獄編や煉獄編よりも、はっきりと言ってるような感じがするのは、神に近づいてきたので、今までのモヤモヤが明確になった…という事かもしれません。

 第4歌では、プラトンの思想が真理を多少は射貫いていたのですが…誤解されてしまったため、ゼウスとかヘルメスとかマルスを神としてあがめてしまったのです。というベアトリーチェの説明があります。もう、他の神は認めないというわけです。

 ただ、神は万能ではないようで…第19歌では、神の価値を宇宙のすべての中に刻印することはさすがにできなかった…と木星天にいる鷲から説明がありました…なるほど…神の力の及ばない範囲があるということですね…。神様を信じない人が言うことに「悪魔が存在するってことは、神は完璧じゃない、完璧じゃないんだから神様じゃない」というのがありますね。神様だからって…間違っちゃダメってことはないですよね。そもそも、人間も失敗作かもしれませんし…。そんなわけで、完璧主義者にとっては、また神は別物なのかもしれません。

 さらに、第20歌では続けて鷲の説明がありますが、なんと、天の王国は熱烈な愛と熾烈な望みによって掟が破られることを許すことがある。…と言っています。なんだか…天国の階層を上がっていけば上がっていくほど、神様に人間味が溢れてきていますよね~。楽しくなってきました。

…そして、最後には天国の最上階に行くわけですが…最後の第33歌はいいですね~。厳かで…とてもいい感じです。そして、ダンテは神をみたんだけれども、「言葉では及ばぬ言葉を超えた像(すがた)。記憶では及ばぬ記憶を超えた像(すがた)」だったと…感動した夢をみて、感動したことだけは覚えているけど、どんな夢だったか思い出せない…という感じだそうです。いや、なるほど…これは…いいですね~。納得できますね。こんな風に、詩的に…美しい場面や、納得できる場面も多いのですがね~。

このしおり便利です!

 この3部作を読んでいる間…ずーっと気になっていることがありました。なぜ、ダンテの言葉は心に響かないのだろうか…自分はキリスト教徒ではないが、聖書も好きだし…まぁ、他にも色々好きなのに…年を取って、考えが変わってしまったのだろうか…。

 そんな時、新聞で面白いコラムを読みました。日経新聞の朝刊なんですが、日曜日だけ連載している「うたごころは科学する」というもので、著者は「キリスト教徒ではないが、エレミヤの嘆きに共感し、山上の垂訓の言葉を大切にすることはできる。信仰をもたない自分には、聖書や仏典を、ときには警句集のように、ときには文学書のように読んできた。」と…なるほど、それだ!と思ったのでした。…つまり、自分も信仰は持っていなかったんですね…。信仰とはどういうものなのでしょう。無条件で受け入れるというものなのでしょうか…。

 さて、そんなわけで…悪口ばっかり書いちゃってますが、この三冊のなかでは、この天国編が一番いいですね~。やはり、自分の嫌いな人間を地獄に送るよりも、自分の好きな人たちを天国に送る方が、読んでいて気持ちの良いものです。

 信仰を持つ方々に、この本がどのような意味があるのか、敵を地獄に落とすようなやり方がいいのか…判断はつきません。古典として、こういう本があると知っていることは大切ですが、読むべきかどうかは微妙だと思いますね~。もっと、他に読むべき本があるような気がします。

2021年8月7日に書いたようです。

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ユダヤ人の歴史

こちらも大変な本でした~。

 そして、最後に読んだのが、この「ユダヤ人の歴史」と言う本です。これは…なかなか読み応えがありましたね~。ちょっと…何て言うんでしょう…時間と場所が、あっち、こっち行くので読みづらい部分もあるかもしれません。まぁ、範囲が広いのである程度いたしかたない面もありますが…。

 しかし、色々と考えさせられる事が多かったですし、この本を読むことで逆に「日本人とはなんなのか」という事を考えてみたくなりましたね~。さらに、〇〇人とか〇〇民族という風に定義するやり方や考え方が、それぞれ違うような気もしてくるので、「何をもって定義するのか」という事も大事ですが、そもそも現代において「〇〇人という定義が必要なのか」という部分についても考えてみる必要があると感じました。

 さて、この本を読んでわかったことは、『ユダヤ人の長い歴史の幕を開けたのは古代イスラエル人であった。』(P23_1行目)ということ、そのイスラエル人がどこから来たのかというと、『この疑問に対するはっきりとした答えはいまだない。』(P24_9行目)ということ。

 ただ、『紀元前二千年紀の前半、(中略)カナンの地に、西セム語族系あるいはアモリ人として知られる半遊牧民が流入したことがわかっている。たぶん、これらの人たちは、北部カナン(ほぼ現在の東シリアにあたる)に定住したアラム人と、南部(ほぼ現在のイスラエルにあたる)に定住したイスラエル人の祖先と思われる。』(P24_17行目)ということのようです。

 そして、この後にエジプトに進出、出エジプト記といった旧約聖書でおなじみの出来事がおこるわけです。このエジプトから逃れてきた人たちがカナンの地にはいった時に融合されたグループがイスラエル人の基礎となったということのようです。

 なんで、こんなに長々と引用したのかというと、じゃ~ユダヤ人って結局どういう人たちのことを言うのかというのが、わからないからでした。これは、この本を読んでいる間、ず~っと疑問に思っていたことだったんです。

 一般的に、農業や遊牧をする人たちが、ある一定の都市にあつまるようになると…都市を中心とした経済圏が形成されます。それをめぐって他の都市とも争いも増えてくるようになります。すると、その都市の経済圏で生活している人たちは団結力が上がりますね。民族や出身は違えども…同じ釜の飯を食う仲間だということになり…それが〇〇人の基本なのかもしれません。

 しかし、民族や出身が違うと、生活習慣や食文化や言葉などが微妙に違ったりするでしょうね~。言葉は通じれば、そのうち、方言として進化していくでしょうし、色々な習慣も馴らされていくでしょう。ただ、その都市に住んでいる人の団結力を維持するためには、なにか大きな指針が必要になりますよね。それが、宗教だったのでしょうか。

 『イスラエル人はヤハウェと呼ばれる神を崇拝していた。』(P33_8行目)ということですが、このヤハウェがいつごろから出てきたのかというのは、書いてません。たぶん、どこかの民族が信じていた神なのか、カナンという町にもともといらっしゃった神なのか…つまり、ヤハウェの加護を得られる人々がイスラエル人ということになるのではないでしょうか。そして、重要なヘブライ語が形作られていくというわけですよね。

 この頃の古代イスラエル王国は12の部族で構成されていたそうですが、ダビデ、ソロモンと統一王国が続いた後、北王国と南王国に分裂してしまいます。その後、北王国は滅亡してしまいます。失われた10支族というやつですね。
 その後、北王国には他の地域からの入植もあり、民族としての血が薄くなってしまったようです。

 イスラエル人としては、南のユダ王国のユダ族とベニヤミン族が残りますが、バビロニア王国に征服されバビロンに連れて行かれてしまいます。これが、有名なバビロン捕囚ですよね。この時に、エルサレムも破壊されてしまったようです。

 このバビロン捕囚から解放されたユダ王国の人たちという事で、ユダヤ人と呼ばれるようになったそうですが、この後、ユダヤ民族が独立国を持つようになるのは、20世紀になってからということで、途方もない年月を、どこかの国の属州とか一地方として過ごしてきたというわけです。

 この後、ユダヤの人々の中には、ローマ帝国の各地に移住する方々もでてきます。北アフリカからスペインからフランスなど…。各地に移住したユダヤの人たちは、それぞれの地でそれなりの文化を築いていったのでしょう。言葉にも方言以上の違いがでてきたそうです。

 そりゃそうでしょうね~。東京と大阪くらいの距離であれば、まだしも…エルサレムからマドリードといったら、5000キロくらいはありますよね~。そんなに離れた状態で何百年も過ごしていて、同じ民族と言えるのかというのが気になるところなんですよね~。主義主張や考え方も変わっていくはずですよね~。

 それでも同一民族といえるのは、「自分達はどこから来たのか」という歴史の部分を大切にしているからなのかもしれません。旧約聖書に書いてあるようなエピソードは現代の私たちが聞いても面白いですよね~。それを、昔話として、自分たちの先祖の話として親から子へと語り継いでいくなかで、自分たちの民族性を形成していく、イスラエルから離れれば離れるほど、そういった物語が強くなっていくのかもしれませんね。

 ただ、それでも現在にいたるまで民族として残っているということが、すごいことなんだと思います。歴史に出てこない、滅亡してしまった民族。滅ぼされてしまった民族も多いのです。

 私達、日本人も多くの民族を吸収しながらここまで生き延びてきたのでしょう。これからも、色々な民族と一緒に暮らしていかなくてはなりません。いずれ、「日本人なの?」とか「ユダヤ人なの?」とかではなく、もっと大雑把な表現、「アジア系だね」とか「中東系だね」というようなわけかたが普通になってくるかもしれませんね~。
 それでも混じってきちゃったら、全然わかんないですよね~。

しおりはコレ。

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まとめ

 さて、なんとか河出文庫のグランドフェア2021の5冊を読み終えました~。

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